【ぴいぷる】クリープハイプ・尾崎世界観 芥川賞ノミネートで話題、執筆は「音楽だけだとダメになるなと。逃げ道でした」 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【ぴいぷる】クリープハイプ・尾崎世界観 芥川賞ノミネートで話題、執筆は「音楽だけだとダメになるなと。逃げ道でした」 (1/2ページ)

 「芥川賞にノミネートされていた間は、最大限に芥川賞候補という状況を楽しんでいました。このまま終わらないでほしいと思ったぐらいです」

 落選したものの、問題作と話題の『母影』(おもかげ、新潮社)は小学低学年の女の子の視点で書かれたもの。学校に居場所がなく、放課後は母親が働くマッサージ店のベッドで過ごす女の子。カーテン越しに仕事する母親の客は、かつては女性もいたのに、次第におじさんばかりになり…。

 「まだ言葉を持たない子供の視点で描くことによって、自分がわかっていた気になっていた言葉について、改めて考えてみたかったんです。言葉にならないものを、言葉を使って描きたかった。『どんな話?』って尋ねられて、『簡単には説明できない』と言ってもらえたらうれしいですね」

 ロックバンド「クリープハイプ」のボーカル、ギター担当。2016年の小説デビュー作『祐介』(文芸春秋)では、売れないバンドマンのいらだちの日々を描いた。

 「今回はまったく自分の周りとは違う世界を書きたかったんです」

 ほとんどの曲の作詞作曲を手掛ける。男女の葛藤や感情を言葉遊びや独特の比喩で表現した歌詞は高評価を得ている。歌詞の場合は、メロディーが先にあり、それに言葉を流し込んでいくという。

 「小説も基本的に作詞の書き方しかできません。1行2行、少しずつ進めては止まり、また進めていく。1行に集中し、その1行だけ切り取っても、自分で納得できるものにしたいと思っています」

 小説は、道かどうかわからないところを道だと信じて進むしかないと感じている。

 「『母影』を書いているときも、よく『この道で合っているのかな?』と思ってましたね。『ここ、どこだっけ』と迷っても、戻るに戻れない瞬間もあって、そんなとき、担当編集の人から客観的なアドバイスをもらいました。音楽だとあまりアドバイスはされません。そこが違うかな」

 子供のころから、みんなと同じ輪の中にいるのではなく、輪の外から「何でこの人たちは楽しそうに遊んでいるんだろう」と客観的に見ているタイプだった。

 「自分についても、『これは子供っぽい行動だな』と俯瞰(ふかん)で見ていました。変な子供でしたね。いまこうして話していても、話している自分を見ている。癖ですね。小説にもそういう俯瞰の視点を使うこともあります」

 そんな子供だったので、周りが知らないものに触れたいという気持ちも強かった。中学1年の夏休み前日に配られた通知表の成績があまりにも悪く、親にテレビを見ることを禁止された。

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