【ぴいぷる】作曲家・佐藤直紀 きょうより明日、自分の音を超えていく NHK大河「青天を衝け」で劇中すべてのオリジナル・サウンドトラックを作曲 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【ぴいぷる】作曲家・佐藤直紀 きょうより明日、自分の音を超えていく NHK大河「青天を衝け」で劇中すべてのオリジナル・サウンドトラックを作曲 (1/2ページ)

 NHK大河ドラマ「青天を衝け」で、劇中すべてのオリジナル・サウンドトラックを作曲した。テーマ音楽は、渋沢栄一の出生地である血洗島(現・埼玉県深谷市)の原風景から始まる。木管が鳥のさえずり、第1バイオリンが風を、第2バイオリンが小川を表現する。やがて時代のうねりやエネルギッシュな生涯が、音の塊となる。

 「余計な情報を入れたくないので、できればロケ地には行きたくないのです」

 そう正直に話した上で、「でも、今回は行って良かった。広大な風景の中に、渋沢家のわらぶきも再現され、農民の格好をした方々などを見たとたん、タイムスリップしたようでした」と和やかな表情に。

 大河を手がけるのは、無国籍で豪快なサウンドに注目が集まった『龍馬伝』(2010年)以来。ドラマ、映画、CMなど幅広い音楽分野で引っ張りだこの第一人者である。どうやって約2分50秒に時代を凝縮するのだろうか。

 「そうですね…。主人公の生き方、人間性。人柄といったことは、間違いなく重要です。気を付けなければいけないのは、ドキュメント番組のテーマではないということ。実在に寄りすぎるとドラマと乖離(かいり)してしまう。ぼくが意識するのはだれが演じるか。吉沢亮さんとお会いして、優しさ、素直さ。まっすぐさなど、どんな姿でキャラクターを演じるかがヒントになりました」

 過去、大河のテーマ音楽をひもとくと、井伊直弼を描いた『花の生涯』(1963年、冨田勲)に始まり、『源義経』(66年、武満徹)、『独眼竜正宗』(87年、池辺晋一郎)、『武田信玄』(88年、山本直純)など芸術家肌の作曲家が少なくない。だが佐藤さんと話をしていると、そうした作曲家のイメージとはかけ離れ、弁舌が鮮やかで体がシュッと引き締まったストイックなビジネスマン風。誤解を恐れずに言えば、まさに職業作曲家、職人である。

 「芸術家か職人かと言われれば後者です。芸術音楽を書こうとは思っていない。いかに面白く音楽の面からお手伝いするかに全能力を傾けています。ぼくの個性、音楽性を出そうとはあまり思っていません」

 なんとも潔い。この道に進むきっかけとなったような作品はあるのだろうか。

 「中学時代に見た『ターミネーター』は衝撃的でした。映画だけ、ドラマだけというのではなく、いつか佐藤直紀という名前で、音楽で勝負したいという気持ちはありました」

 音大ではクラシックだけでなく、ジャズ、フュージョン、JPOPと広く親しんだ。いま何が流行っているのか。“時代の音”にアンテナを張ってきたが、今、ひとつの転換点を感じている。

 「泣かせよう、感動させよう、こういう曲が好きなんでしょう--という作り方に、聴く側は、拒絶感を持っています。いろんな考え方を認めようという時代。ですから、『青天を衝け』では、こういう曲で元気が出るよね、ぼくはこう思うんですけど、と提案するように作りました」

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