映画『俺たちに明日はない』は、ボニーとクライドが強盗と殺人を繰り返しながら、愛の逃避行を続けるというアメリカン・ニューシネマの先駆的作品である。
映画的にも多くのタブーを覆し、カウンターカルチャーを支持する人々には『イージー・ライダー』と双璧をなす、不朽の名作であるのは言うまでもない。
私も二十歳そこそこの頃には、多くの者が通る道として、この映画にしびれた。2人の愛が本物であるならば、社会のすべてを犠牲にしてもよいと、青臭い思いに浸ったものだ。
しかし、今再び鑑賞すると、2人の愛は本物かもしれないが、その狂気に巻き込まれて殺された面々はたまったものではないと思った。
若かったときはそんな感想を持つことはなかったのに、まさにオッサンの感性丸出しの今現在である。
失われてしまった若い感性に思いをはせていると、とある若者に人気アニメで「炎上」騒ぎが起きているという話を聞いた。
簡単に説明すると、小型オートバイと青春を過ごす少女の物語において、その少女が交通違反を犯すシーンが問題になっているという。
一体全体どんなに激しい「暴走シーン」なのかと検索してみると、2人乗りのシーンで、「自動二輪免許取得後1年間は2人乗りが禁止」という道交法に違反しているというのだ。