【高須基一朗の“瞬刊”芸能】映画館にこだわらないディズニーの戦略 動画配信サービス活用し、スピンオフ作品を制作 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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映画館にこだわらないディズニーの戦略 動画配信サービス活用し、スピンオフ作品を制作

 映画業界の危機的な状況により、“業界のルール”が根底から変わろうとしている。日本では度重なる緊急事態宣言で、ルールにのっとり大手シネコンは入場者数を半分に制限し、午後8時までの時短営業に。もちろん興行成績は大打撃だ。これに歯止めをかけるため、各社は様々な試みに打って出ている。

 とりわけウォルト・ディズニー・カンパニーは、早い段階で決断。2020年の春先から定額制動画配信サービス「ディズニープラス」を大いに活用して、巣ごもり生活を前提に、映画作品に紐づいたサブキャラを主人公にしたスピンオフのオリジナル連続ドラマなどを次々に制作した。

 マーベルシリーズでは「アベンジャーズ」での主軸キャラではないコミックキャラであった役者を主役に大抜擢し、オリジナル・スピンオフ作品を低予算で制作。映画館へ行きたくとも行けない人たちの心をしっかりつかんでいる。

 劇場公開が予定されていた実写版の「ムーラン」や「ソウルフル・ワールド」なども配信のみに。大手シネコン側の立場とすれば、人気作品が立て続けに看板にかからない痛手は容易に想像できる。だが、これも生き残りをかけた苦渋の決断であり、積み上げてきた“常識”を壊すことで、コロナと共生する新たな時代に立ち向かおうという窮余の策だろう。

 実際、「モンスターズ・インク」のドラマシリーズ「モンスターズ・ワーク」や、「アベンジャーズ」の敵役であった「ロキ」を主役に大抜擢したドラマ作品「LOKI」など、2021年に公開されたサブスク作品は、どれもかなりの完成度で面白い。

 スカーレット・ヨハンソンの主演で、7月8日に公開されたマーベル最新映画「ブラック・ウィドウ」は、国内上映を一部シネコンや独立系に絞り、オンラインでの収益が大きな成果を生んだ。プレミアアクセス(追加料金)による配信の利益は、全世界で初週末に約6000万ドル(66億200万円)にまで数字を伸ばしたという。

 今年の下半期も、配信を積極的に使わざるを得ないだろう。早く見られるなら映画館にこだわらない時代がやってきた。

 ■高須基一朗(たかす・もといちろう) 出版プロデューサー。父・高須基仁の下で、数多くの有名芸能人のヘアヌード撮影の現場進行を経験。代表作には、アントニオ猪木『人生のホームレス』、ミス・ユニバース『食べるフィットネス』など。格闘技雑誌の編集長などを経て、昨年6月、福田明日香の大胆なファースト写真集『PASSIONABLE』をプロデュース。

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