【大人のエンタメ】コロナ禍は自宅で映画鑑賞を 劇場に行く気になれない人におすすめ「名優が演じる復讐の世界」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【大人のエンタメ】コロナ禍は自宅で映画鑑賞を 劇場に行く気になれない人におすすめ「名優が演じる復讐の世界」

 コロナ禍のせいで、まだ劇場へ行く気になれない映画ファンにお薦めなのが、「名優が演じる復讐の世界」(コスミック出版)のDVD10枚組シリーズだ。同シリーズはすでにいくつも販売されているが、こうしたセレクト作品は玉石混交が常だが、今回は傑作・注目作ぞろいなのでご安心を。

 まず筆頭の『容疑者』(1944年)は、名優チャールズ・ロートン主演の傑作ミステリー。『刑事コロンボ』の第44話『攻撃命令』で、同作のポスターが印象深く映しだされるのを思い出す人もいるのではないか。コロンボと対決する犯人が映画マニアのため、『市民ケーン』(41年)の有名なセリフが事件解決のキーワードとなっていたが、なぜか出てくる映画ポスターは『容疑者』だった。DVDで見ればその謎も解けるか。

 41年制作の『生きてる死骸』はその前年にブロードウェーで上演された舞台劇の映画化。アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『悪魔のような女』(55年)をほうふつとさせ、年代を考えると、40年の舞台劇がクルーゾー作品と同映画の原作にも影響を与えているのは間違いない。犯人の心理描写などは、アルフレド・ヒチコック作品を思わせる。

 ダン・デュリエ主演の『シカゴ・コーリング』(51年)は、貧しい庶民の悲劇をサスペンスタッチで描くホームドラマ。イタリア映画『自転車泥棒』(48年)風な作りに驚く。アメリカ社会の裏面を扱ったせいなのか、GHQ占領下の日本では公開されなかった。

 他にも、ジョン・ヒューストン監督が『マルタの鷹』(41年)の続編として脚本を書いたという『三人の波紋』(46年)やバーバラ・スタンウイック主演の『いのち短かし』(47年)などの貴重なミステリーがめじろ押しである。

 ただし、砂漠に置き去りにされた男(ロバート・ライアン)のサバイバル劇『地獄の対決』(53年)はプロットを生かしきれていないので残念だった。とはいえ、ドラマ性が希薄で、低迷を続ける今日のハリウッド映画と比べると、どの作品もはるかに優れている。 (瀬戸川宗太)

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