【エンタなう】こんな恥ずかしさを見たかった恋愛映画 映画「あらののはて」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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こんな恥ずかしさを見たかった恋愛映画 映画「あらののはて」

 日本の恋愛映画といえば、マンガ原作で、人気アイドル主演の顔見世興行が多い。映画「あらののはて」は、そんな鼻白むおとぎ話の対極にある。女子高生の心の疼(うず)きと体を突き抜けるフェティシズム…。こんな恥ずかしさを見たかった。

 高校時代の英語の授業、担任(藤田健彦)が男女の劇的な再会を描く「カサブランカ」の台詞の素晴らしさを説いていた。うわの空でガムを噛む生徒の野々宮風子(舞木ひと美)は、叱られて包み紙に戻す。それを前の席の大谷荒野(高橋雄祐)が口に含んだ。翌朝、荒野に頼まれて教室で制服のまま絵画モデルをする風子。デッサンの激しい筆の音が響く中、荒野の視線を浴びながら風子は絶頂に達した。

 8年後、あの日の感情が忘れられない風子は、マリア(眞嶋優)と同棲する荒野を尋ね、もう一度、自分をモデルに絵を描いてと迫るが…。

 舞台演出を手がけてきた長谷川朋史監督が映し出す教室の外や夜明けの景色がダイナミック。反して固定カメラからはみ出し、映らない女同士の口論や、嫉妬に狂う場面が想像をかきたてる。

 荒野と書いて、あらのと読ませる男。因縁のあった昔の女にカレシを取られまいと教え諭すマリア…とくれば、新約聖書の著名なエピソード「荒野(あらの)の誘惑」を連想する。「人はパン(欲望)のみに生きるにあらず」という戒めなのか。21日から池袋シネマ・ロサ(東京)でレイトショー上映など、順次全国公開。(中本裕己)

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