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【長尾医師の平成人間臨終図鑑】平尾誠二さん死の衝撃 胆管細胞がんは50代クライシス?

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【長尾医師の平成人間臨終図鑑】平尾誠二さん死の衝撃 胆管細胞がんは50代クライシス?

 そもそも肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、病気があっても自覚症状が出にくい臓器。一般に腹部エコーでスクリーニングしますが、皮下脂肪が多い人は見づらいことがあります。血液検査で胆道系酵素の上昇を指摘されたり、黄疸などの自覚症状を契機に胆管がんが見つかることが多いですが、その時点ですでにかなり進行した状態であることが多い。胆管がんの5年生存率は30〜50%と予後が厳しいです。胆管が閉塞すると皮膚の痒みや、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が出て便が白っぽくなりますが、こうした症状が現れにくいケースもあります。胆管がんが発覚したときには、余命半年ないし3カ月と言われることも珍しくありません。

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 平尾誠二さんの場合も、昨年(2015年)9月に倒れて手術。周囲には胃潰瘍と説明をしていましたが、実はその時点で「余命3カ月」と診断されていたそうです。その後、急激に痩せた姿に周囲から心配されていましたが、本人は胃潰瘍の後で食事制限をして痩せたと話していたようです。しかし、余命3カ月と言われてから、実に1年あまりを生きられた。その闘病の様子を詳しく知ることはできませんが、どんな試合でも、最後まで絶対にあきらめなかったミスター・ラグビーと呼ばれた男ですから、病と果敢に闘ったことは想像に難くありません。

平尾さんの名言で、強く私の心に残っている言葉があります。その言葉を紹介して、今回は終わりたいと思います。

 「時間って命の一部なんですよ。今の時間を大事にできない人は、未来の時間もきっと大事にはできない。ここで自分らしく生きることができない人には、次なる道は開けない気がするんです」

 見事な言葉であり、見事な生きざまでした。次回は、平尾さんと同じ病にかかった著名人の生きざまを紹介していきましょう。

■長尾和宏(ながお・かずひろ) 長尾クリニック院長。1958年香川県出身。1984年に東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。阪神大震災をきっかけに、兵庫県尼崎市で長尾クリニック開業。現在クリニックでは計7人の医師が365日24時間態勢で外来診療と在宅医療に取り組んでいる。趣味はゴルフと音楽。著書は「長尾先生、「近藤誠理論」のどこが間違っているのですか?」(ブックマン社)、「『平穏死』10の条件」(同)、「抗がん剤10の『やめどき』」(同)。

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  • 長尾和宏医師

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