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【ニッポン病院の実力】世界最先端の心室頻拍治療 心外膜アブレーションに注力

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【ニッポン病院の実力】世界最先端の心室頻拍治療 心外膜アブレーションに注力

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杏林大学医学部付属病院不整脈センター  心臓の動きを乱す不整脈の中には、突然死に結びつく「心室頻拍(しんしつひんぱく)」がある。心臓は電気刺激で筋肉を動かし、全身に血液を運ぶが、電気の流れそのものが乱れて突然早い脈が起こると、血圧が低下し、突然死のリスクを高める。心臓病の人は、特にそのリスクが高い。

 通常、突然死の予防では、植え込み型徐細動器(ICD)を手術で体内に置く治療が一般的。しかし、ICDのショックは、患者に非常に苦痛というだけでなく、心不全から死亡に至る原因になることも判明。それらを回避すべく、心室頻拍そのものを高周波により焼灼し、治療する「カテーテルアブレーション」が行われるようになった。

 この治療を含め、世界の最先端治療を行っているのが、杏林大学医学部付属病院不整脈センター。

 「心室頻拍は、心筋梗塞、肥大型心筋症、拡張型心筋症など、心臓機能の低下を伴う場合に治療が難しくなります。欧米では治療法は格段に進歩している。だからこそ、その治療法を取り入れ、患者さんが元気に歩いて退院していただくことに、大きなメリットを感じています」

 こう話す副島京子センター長(50)は、心室頻拍治療のスペシャリスト。米国ハーバード大学とマイアミ大学の不整脈専門センターで8年間治療を行い、技術に磨きをかけ、最先端の治療法も習得。帰国後の2004年、国内初となる「心外膜アブレーション」を成功させた。

 心室頻拍のカテーテルアブレーションでは、心臓の内側から治療を行う。しかし、肥大型心筋症のように、心筋が正常な状態よりも約2倍も厚くなっていると、内側からの治療ではうまく心室頻拍を焼灼できない。心外膜アブレーションは、心臓の外側から治療を行うのだ。高い技術が必要となるゆえに、副島センター長は国内での普及にも尽力している。

 「日本における不整脈治療をより発展させたい。今年は、ライフジャケット型の外付けのICDも導入されます。着脱可能なので、不要になれば外すことができ、従来の体内に埋め込んだままのICDと比較し、一定の患者さんにおける利点は大きい。また、カテーテルで直接心臓の中にペースメーカーを置く治験も、欧米と同時に当院で実施中です。身体へ負担の少ない技術開発では、まだ取り組むべきことは多い」

 副島センター長は、治療で元気と笑顔を取り戻した患者を心に留めている。だからこそ治療における苦痛を極力減らし、QOL(生活の質)の向上にこだわる。そのために最先端医療は役立つ。

 「患者さんの顔がしっかり見える医療を心掛けています。質には自信がある。突然死に結びつく不整脈には、かつては治療できなかったものも新しい治療法で変わりつつある。つらいショックを我慢しないで済む治療も進んできている。それを一般の方々にも知っていただきたいと思います」と副島センター長。

 世界に並ぶ技術革新に向け、邁進(まいしん)中だ。 (安達純子)

<データ>2013年実績
・カテーテルアブレーション132件
・植込み型徐細動器(ICD)手術28件(内、心臓再同期療法CRTD植え込み11件)
・ペースメーカー植込み術82件
・病院病床数1153床
〔住所〕〒181−8611 東京都三鷹市新川6の20の2
 (電)0422・47・5511

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