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“丁寧さ”へのこだわりが身上、人工膝関節・人工股関節を年に600件 埼玉協同病院整形外科副部長・桑沢綾乃さん

★埼玉協同病院(埼玉県川口市)整形外科副部長・桑沢綾乃さん

 人工膝関節と人工股関節の置換術を合わせて1年に約600件。埼玉協同病院整形外科副部長の桑沢綾乃医師は、この分野の年間手術件数で、女医としてはもちろん、男女合わせても国内トップクラスの症例数を持つ整形外科医である。

 医学部を卒業後、内科医としてスタートしたが、のちに整形外科に転科。傍目には重労働に見える診療科だが、女性ならではの繊細さと、生まれ持っての器用さを発揮して頭角を現していく。

 現在の病院に赴任してちょうど10年。近年は、靭帯を温存したまま人工膝関節に置き換える手術など最新技術を積極的に取り入れ、治療成績だけでなく患者満足度も高めている。

 “丁寧さ”へのこだわりが身上だ。

 「折り鶴を作る時、一つひとつの折り目を丁寧に折っていくと、くちばしも羽根もピンと尖ったキレイな鶴になるけれど、途中で一カ所でも雑に折ってしまうと、仕上がりも美しくならない。手術も同じで、こだわればこだわるほど、いい結果になると思うんです」

 こだわりの対象は手術だけではない。「手術の後の疼痛管理」に寄せる思いも大きい。

 「患者さんに『手術をしたのだから痛くても仕方ない』とあきらめてほしくない」と、早い段階から神経ブロックを行うなど、痛みのコントロールに力を入れる。

 同様に、手術後のリハビリも、治療の一環として義務的に行うことはしない。患者が“新しい脚”を手に入れた喜びを感じ、前向きに、楽しく機能回復訓練に取り組めるための工夫を凝らす。

 単に症例数の多さだけではない、“丁寧さ”にこだわり抜く桑沢医師の哲学が、美しい手術、美しい仕上がりを実現する。

 「せっかく私の手術を受けてくれる患者さんには、120%の手術をしたいので…」

 そんな桑沢医師の夢は、「いつか匠の技を身に付けること」。

 それは決して遠い日のことではなさそうだ。(長田昭二)

 ■桑沢綾乃(くわさわ・あやの) 静岡県焼津市生まれ。2001年東京女子医科大学卒業。川崎市立病院、東京女子医科大学附属青山病院、東京医療センター、亀田総合病院勤務を経て、08年から現職。日本整形外科学会専門医・運動器リハビリテーション医・リウマチ専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医。趣味はハープ演奏。

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