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猫背が酸素量大幅低下の原因、呼吸をただして10歳若返りへ 疲労回復やダイエットまで可能に

 生きている限り動き続ける臓器-というと、多くの人は「心臓」を思い浮かべる。しかし、忘れてならないのが「肺」だ。人は呼吸をしなければ死んでしまう。なのに、その大切な呼吸を一手に引き受けている肺に意識を向けることは少ない。たまには自分の肺に語り掛けてみてはどうだろう。

 テレビや雑誌で引っ張りだこの人気医師。小紙にもたびたびコメンテーターとして登場する呼吸器内科医・大谷義夫氏の最新刊が『疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった』(二見書房刊)。健康長寿を実現する上で、「呼吸」が持つ重要性をわかりやすく解き明かした一冊だ。

 日本人の三大死因は、がん、心臓疾患、肺炎-。しかも、首位のがんの中で死亡数の多い順位を見ると、男性の首位と女性の2位は「肺がん」だ。となると、日本人の死因の大多数を「肺の病気」が占めていることになる。

 呼吸器内科医の著者の元には、「呼吸苦」を訴える患者が数多く訪れる。そんな患者の中には、さまざまな検査をしても問題はないのに、肺機能だけは低い-という症例が少なくないという。本書では、そうした実際の臨床像を詳細に検証し、その原因と対策を解説している。

 著者が挙げる原因の一つに「姿勢の悪さ」がある。スマホやパソコン作業、あるいは家事などでも「猫背」になりやすい人は少なくない。猫背が肩こりや頭痛の要因になることは想像できるが、著者によると、じつは吸い込む酸素の量が大幅に低下して、呼吸を大幅に妨げるのだという。

 「33歳のスポーツ経験者で、健康な男性の呼吸を、通常の姿勢で測定すると肺年齢は18歳未満と出ました。ところが“スマホ操作”をしている姿勢で測定すると、肺活量が3割以上も落ち、肺年齢は41歳になってしまったのです」(大谷氏)

 姿勢の善しあしが呼吸の質にここまでダイレクトに影響を与えているとは驚きだが、それを知ってしまうと、1回ごとの呼吸が重要に思えてくるし、取り込む酸素がいとおしくなってくる。

 他にも、うまく酸素を取り込めないと代謝が悪くなり、ブドウ糖の分解がうまくいかずに疲れやすくなるとか、酸素不足で脂肪が不完全燃焼になって肥満傾向になることなどが、丁寧に語られている。

 後半では、「緊張したとき」や「眠れないとき」などシチュエーション別に著者が勧める呼吸法や、呼吸の質を高めて若返りを促す「呼吸筋ストレッチ」などもイラスト付きで紹介している。

 「人間は1分間で15回、1日2万回、一生で6億回呼吸します。無意識に当然の如く繰り返す呼吸の善しあしも、健康や若さに影響を及ぼすのです。姿勢良く呼吸することを意識していただくと、深い呼吸が習慣となり、疲労回復、ダイエット成功まで可能になるのです」と語る著者は、「呼吸で10歳は若返ります!」と断言する。

 見た目のマッチョもいいけれど、生き死にに直結する肺や呼吸筋を鍛えるほうが合理的ではないだろうか。(竹中秀二)

 ■「呼吸筋」が衰えているのはこんな人
 □スマホ操作や仕事、家事で猫背になりやすい
 □最近疲れやすく、疲れが取れにくくなった
 □階段よりエレベーターやエスカレーターを使ってしまう
 □ダイエットをしても昔より痩せにくくなった
 □のどの渇きや口臭が気になるようになった
 □以前より声が小さくなった

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