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チョコレートを食べ健康に 血圧降下やコレステロール改善の効果も

 「嗜好品(しこうひん)外来」という聞きなれない診察・治療の専門外来がある。赤ワインや緑茶、ナッツなどの嗜好品を効果的に取り入れることで健康維持に役立てることを目的とした外来だが、その柱となるのが「チョコレート」。血圧降下に一役買うというのだ。

 2015年秋、日本初の嗜好品外来を開設したのは、埼玉県戸田市にある戸田中央総合病院。その特殊な取り組みはテレビなどでも取り上げられたので目にした人もいるだろう。

 心臓や脳など血管系の疾患を持つ人を対象に、通常の治療と並行して嗜好品を組み合わせることで病気の進行を防ぎ、治療のアシストを狙うのが目的の外来だ。

 冒頭で触れた食品の他にも、くるみ、青魚、にんにく、玉ねぎ、そば、ほうれん草、アーモンドなど、その患者に合った食品を利用して健康管理につなげている。

 その嗜好品外来を担当する椎名一紀医師は、動脈硬化や高血圧の他、睡眠時無呼吸症候群などを専門とする循環器内科医。今回紹介する『チョコで血圧が下がった』(主婦の友インフォス刊)の著者でもある。気になる本の内容は-。

 このニュースは小紙でも以前取り上げたが、愛知県蒲郡市で347人の市民を対象に25グラムのチョコレートを4週間、毎日食べてもらうという産官学の臨床研究が行われ、参加した人の平均血圧が「上」で2・6mmHg、「下」が1・9mmHg下がるという結果が出たのだ。

 他にもチョコレートを食べることで善玉コレステロールの値が上昇し、一方で酸化ストレスが減るなど、動脈硬化予防に役立つことが認められたという。

 これらはチョコレートに含まれるカカオポリフェノールの働きによるものと考えられる。著者の担当する嗜好品外来では、こうしたエビデンスに基づいた嗜好品を摂取することで、治療や予防効果を高める取り組みをしている。

 本書では、実際に著者の外来を受診している患者の症例も報告されている。

 悪玉コレステロールと血糖値が高かった75歳の女性は、それまで服用していた降圧剤に加えてチョコレートを食べるようにしたところ、悪玉コレステロールと血糖値は降下。血圧も安定して以前より弱い薬に変えることができたという。注目すべきは血管年齢で、以前は「70代半ば」だったのが、チョコレートを半年にわたって毎日食べたあとは「60代半ば」と、10歳も若返っていたこと。

 同様のことは55歳の女性患者でも見られ、チョコレート摂取開始前は「70代前半」だった血管年齢が、半年後には「40代後半」まで若返っていたという。

 もちろん、病気の人がチョコレートを食べれば自動的に治るわけではないし、チョコレートもカカオや脂肪、糖質の含有量によって予防効果は異なる。食べ過ぎは禁物だ。しかし、従来の「嗜好品=悪者」という図式は見直すべき段階に来ていることは確かだろう。

 「この本が、チョコレートを中心とした嗜好品を、最も基本的な生命維持活動である“食事”に上手に取り入れてもらうきっかけになれば」と著者はいう。

 意外に実力者だったチョコレート。バレンタインデーだけで終わらせるのはもったいない。(竹中秀二)

 ■世界で報告されているチョコレートの有効性
 □血圧降下(高血圧改善)
 □コレステロール改善(悪玉を下げて善玉を高める)
 □糖代謝能の改善(血糖値の安定)
 □血管年齢の若返り(動脈硬化予防)
 □便秘の改善
 □美肌効果
 □白内障予防…ほか

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