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腹腔鏡の胃がん手術で高実績 埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科教授の持木彫人さん

★埼玉医科大学総合医療センター(埼玉県川越市)消化管・一般外科教授の持木彫人さん(57)

 埼玉県川越市にある埼玉医科大学総合医療センターは、36の診療科と1053床のベッドを持つ県下屈指の大規模病院。ここの消化管・一般外科教授を務める持木彫人医師は、腹腔鏡を用いた胃がんの手術において高い実績を持つ消化器外科医。

 いまから20年前。母校群馬大学で臨床にあたっていた持木医師は、当時消化器では胆のう摘出と大腸がんで導入が始まったばかりの腹腔鏡手術、胃がん手術への応用に着眼した。動物実験からスタートし、有効性と安全性を確認して臨床導入に漕ぎつけた。

 国内でもきわめて早い段階で胃がんの腹腔鏡手術を始めた持木医師は、その技術を伝承すべく、5年前に現在の大学に移籍。地域における胃がん治療の成績向上はもちろん、若手外科医の教育にも力を入れている。

 基本的には胃がんの腹腔鏡手術は早期がんが対象だ。しかし、持木医師は、「術前の化学療法でがんが小さくなれば腹腔鏡で対応できることもあるし、必ずしも胃をすべて摘出しなくても再発を防げるレベルまで切除できることもある」と、積極的な姿勢で臨む。

 もちろん、安全性の確保を前提としているが、術後の患者の生活の質を高く保つうえで、持木医師の技術と“攻めの姿勢”は評価されて然るべきだ。今後は、ロボット手術の導入なども視野に入れ、後進の指導に力を入れる考えだ。

 もう一つ持木医師が気にかけていることがある。それは「地元でできる治療は地元で完結させる」という思いだ。

 「埼玉は東京に近いから、何かというと目が東京に向きがち。しかし、わざわざ東京に行かなくても、同等の治療が埼玉でできる-という事実を多くの県民に知ってほしい。そのための情報提供活動にも取り組んでいきたい」

 小江戸・川越を中心とする埼玉県央エリアで、地域完結型医療の実現に向けた持木医師の挑戦が始まった。(長田昭二)

 ■持木彫人(もちき・えりと) 1960年、埼玉県生まれ。88年、群馬大学医学部を卒業し、同大第一外科入局。同大学医学部附属病院、さいたま赤十字病院等勤務を経て2012年から現職。日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、消化器内視鏡学会専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医他。医学博士。趣味はスキー(SAJ1級)、オートバイ。

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