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【高血圧ギモン解決】太るとどうして血圧は高くなるの? 要因は…

★東京女子医科大学病院 高血圧・内分泌内科 市原淳弘主任教授

 Q.太るとどうして血圧は高くなるのか

 A.体表面積の増加で血流を増やさなければならないことが要因の一つ

 若い頃と比べて、中年期以降は代謝が落ち、運動不足なども伴って体重は増加しやすい。健康診断で「20代と比べて10キロ以上体重が増えた」と指摘される会社員も多い。この状態で、高血圧症と診断されると、食生活の見直しで体重を落とすよう医師から勧められる。では、なぜ太ると血圧は上がりやすいのか。

 「ひとつは、体表面積が増えることに関係しています。増えた体表面積の体の隅々まで血液を届けるために心臓が頑張る結果、血圧が上がってしまう仕組みがあるのです」と、東京女子医科大学病院高血圧・内分泌内科の市原淳弘主任教授は説明する。

 たとえば、小さな風船を膨らますときには、吐き出す息の量は少なくて済むが、大きな浮輪を膨らますときには吐く息の量も増える。心臓も、体が小さければ血液を送り出す力は強くなくても済むが、大きな体ではより力を強くしなければならない。太ると心臓に負荷がかかり、血圧も上がりやすいのだ。

 「もうひとつ、太った人はアルドステロンというホルモン値が高くなる傾向があります。アルドステロンは、腎臓でナトリウムの再吸収を促すため、高血圧につながります」

 アルドステロンは、腎臓の上に位置する副腎から産生される。太った人では、このホルモンの産生を促す物質が、内臓脂肪から出ているのではないかと考えられているそうだ。体重が増えて体表面積が広がり、アルドステロンの産生量も増えることで、血圧は高くなる傾向が強まる。

 「太った状態で血圧の治療薬を服用しても、血圧が下がらない患者さんはいます。このような方が食生活を見直して減量すると、高血圧の薬の効果が上がり、中には薬の服用が不要になる方もいるのです。太っていることは、高血圧にとってよくないと考えましょう」

 さまざまな研究で、太った人が体重を約4キロ落とすと、上の血圧が4・5(単位・mmHg)低下すると報告されている。仮に10キロ減量すれば、上の血圧はマイナス11以上。診察時血圧で150以上の人が、140未満になることは可能だ。特に肥満とされるBMI(体格指数=体重kg÷身長mの2乗)で「25」以上の人は、減量をすることで血圧を正常に近づけやすいという。

 「内臓脂肪は、余分なエネルギーによってたまる。食事の量を減らすと同時に、果物などの果糖も体内で中性脂肪に変わりやすいため、食べ過ぎに注意してください。そして、適度な運動も大切。血管を柔らかく維持するのに運動も欠かせません」

 肥満の人は、高血圧に加えて、糖尿病や脂質異常症も合併していることが多く、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高い。放置せずに少しずつ体重を減らす努力をしよう。(取材・安達純子)

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