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本場ウィーンのソーセージ屋台…口いっぱいに膨らむ“質実剛健”な味わい

★絶品必食編

 「ウインナーかソーセージか、それが問題だ」と口走った人がいるかはさておき、両者の棲み分けは実に曖昧だ。

 では日本の「ウインナー」の語源ともなったオーストリアのウィーンではどうかというと、ありとあらゆる街角に「WURSTEL STAND」(ヴルステルスタンド=ソーセージ屋台)がある。

 このソーセージがうまい。もちろん、スタンドによって味が違ったりはする。だが、どのスタンドでも、生活のなかで鍛えられた味があり、噛むと濃厚な風味の肉の旨味がしみ出してくる。

 脂や水分がブシュッとなるのではなく、質実剛健、凝縮した肉の味わいが口のなかいっぱいに膨らむのだ。

 メニューも実に多彩で、オーソドックスな王道の焼きソーセージ「ブラートヴルスト」や近年人気の高いチーズ入りの「ケーゼクライナー」など数種類のソーセージから選んでホットドッグにするかパンを別添えにするか選ぶことができる。

 端から見ていると、ホットドッグ組は食事代わりが多く、パンを別添えにする人はビールを注文して、気軽な立ち呑み店のように楽しんでいる。当然、僕はビール派だ。

 その他みんな大好きカレー粉+ケチャップの「カリーヴルスト」、芳香豊かなミートローフの「レバーケーゼ」など多様なソーセージやパテが店頭で焼かれている。

 ビールは500ミリリットルの缶やボトルが2・5~2・8ユーロほど。ソーセージは店や種類によって差があるが3ユーロくらいから。安い店なら5・5ユーロ(約700円)ほどでビール1本とパンつきソーセージでほろ酔い気分が味わえる。ビールを1本追加しても約1000円だ。

 昼からビールを嗜む人も多いが、夜になればスタンドの灯に人はますます引き寄せられる。誰もが楽しそうにソーセージをビールで流し込んでいる。僕のお気に入りはホーヤーマルクトにある朝まで営業しているスタンドだ。

 「ウィーン風」と名付けられたソーセージが世に出て200年超。市民に愛され続けたソーセージの味わいは深い。

 ■松浦達也(まつうら・たつや) 編集者/ライター。レシピから外食まで肉事情に詳しく、専門誌での執筆やテレビなどで活躍。「大人の肉ドリル」、「新しい卵ドリル」が好評発売中。

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