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【手術や入院時に覚えておきたい「せん妄」のリスク】入院中はサイクルが乱れがちだけど… 避けたい!漫然とした「睡眠薬投与」 (1/2ページ)

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 高齢者などが突然、意識障害を発症する「せん妄」。直接の原因は、体の病気や手術、そして薬物(鎮静薬)だ。今回は薬物と、それに関わる睡眠について説明したい。

 日本医科大学武蔵小杉病院精神科の岸泰宏教授によると、せん妄を最も起こしやすい薬剤の一つは、睡眠薬・鎮静剤として使われる「ベンゾジアゼピン系薬剤」などのGABA系薬剤(ブロチゾラム、トリアゾラム、エチゾラム、ゾルピデムなど)だという。「エチゾラム(商品名デパス)」は抗不安薬としても使われる。

 「ベンゾジアゼピン系薬剤は、肩こりなどでも使うことがあるよい薬です。これを、漫然と投与し続けることがよくない。担当医としては、せん妄を起こしやすい薬だとわかっていても、止めてしまうとまた眠れなくなるなどの問題が起こるので止めづらい、といった事情もあります」

 睡眠薬を使い続けるのは避けたい。しかし何もしないで睡眠の問題を放置すると、やはりせん妄を起こしやすくなる。

 入院中は、環境が変わり、睡眠のサイクルが乱れがちで睡眠の質が落ちる。手術など心身ともに負担のかかる経験をすると、横になっていても眠れていないことが多い。

 「ICU(集中治療室)では、とくに眠れていない。睡眠ポリグラフ検査で1日中脳波を測ると、浅い睡眠が増え深い睡眠が減っている。この患者さんは十分眠っていると思っても、実際の睡眠は看護師評価の3分の1くらい、ということも分かっています」

 21時消灯という病院の生活スケジュールも睡眠の問題を起こしやすいという。普段は23時に寝ている人なら、2~3時間前に眠ることになる。

 「実はその時間は〈睡眠禁止ゾーン〉といわれる時間帯です。ここで寝てしまうと、睡眠のサイクルが乱れたり、睡眠の質が悪くなりがちです」

 21時に眠ることができた場合、40歳以上なら6時間後の3時くらいに目覚めるのはごく自然だ。しかし6時の起床時間までは間があるため、患者本人も看護師も、眠れていないのではないかと心配になり、必要ない睡眠薬を投与してしまうことは多いそうだ。

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