zakzak

記事詳細

【続・長生きは本当に幸せか?】「苦しまずに死ぬ」ことはできるのか? 痛みに緩和ケア…誰もが不安な最期 (1/2ページ)

 誰もが死ぬことに不安を持っています。死そのものに対する漠然とした不安とは別に、具体的な不安があります。それは、苦しまないで死ねるか、ということです。

 末期がんで余命宣告を受けた患者さんがよく言うのは、「最後は苦しみますか?」「痛くないですか?」ということ。

 とくに、親をがんで看取った人は、「最後は痛い痛いと叫び、何度も寝返りを打ち、毎日さすって看病しました」と訴えます。

 最近は、終末期患者さんに対する「緩和ケア」が進んでいます。緩和ケア病棟が併設され、設備とスタッフが充実しているところも多くなりました。ですから、それほど心配はいりません。とはいえ、がんでは、部位によっては痛みが強いことがあります。

 たとえば、膵(すい)臓がん。骨転移をした場合は、腰部が激しい痛みに襲われます。腰椎周辺には太い神経があり、がんがそれを圧迫するからです。また、手術や抗がん剤、放射線治療によって発生する痛みやしびれもあります。緩和ケアでは、鎮痛剤、モルヒネなどだけではなく神経ブロック(局所麻酔の一種)も使うのですが、効かない場合もあります。

 肝臓がんも痛みが激しいケースがあります。全身こむらがえりという症状が出て、体をのけぞらせて痛がるといいます。

 痛みのきついがんに肺がんを挙げる医師もいます。がんが肺全体に転移してしまうと、ゼーゼーと息苦しさに苛(さいな)まれることになるうえ、末期には肺に水が溜まり、いくら息を吸っても呼吸ができなくなるからです。

 最近、死因で上位にランクされる肺炎(誤嚥性肺炎)も肺がんと同じく呼吸困難に陥り、高熱を出したうえ、痛みにうんうんと唸るようになります。そうした患者さんに接したことがありますが、患者さんの苦しがっている顔がいまも頭から離れません。

 しかし、最近の緩和ケアの進歩には驚くべきものがあります。緩和ケア態勢が整っている病院では、専門的な知識と技術を身につけた専門医を中心にケア専門の看護師、薬剤師、心理士、ソーシャルワーカーなどの専門家がチームをつくり、患者さんの状況に応じて診療に当たっています。

 そこでは、患者さんのQOL(生活の質)を第一に考えたケアが行われます。緩和ケア病棟は、ほとんどが個室で、家族も泊まれるようにソファベッドなどが置いてあります。面会時間の制限はありません。病棟によっては愛犬を同伴できるところもあります。

 最近は、体の痛みばかりか、心の痛みを「スピリチュアル・ペイン」と呼び、これをケアしてくれる専門家がいる病棟もあります。

 ただし、誰もが緩和ケア病棟で最期を迎えられるわけではありません。国は方針として、病棟から患者さんを在宅に戻すことを勧めているからです。在宅でも緩和ケアができるように整えつつありますが、人材がまったく足りていません。

関連ニュース

アクセスランキング