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【雇用延長時代を生きる健康術】“健康資産”を蓄えるための「片脚スクワット」

 今年3月、厚労省の有識者研究会の報告で、2040年までに3年以上健康寿命を延ばす目標が示された。健康寿命とは、日常生活に制限のない期間のことで、16年の健康寿命推定値は男性で約72歳、女性で約75歳。平均寿命と比べて男性で約9年、女性で約12年短く、介護や寝た切りなどの期間が長いことを示す。「要介護」にならないことが、長く働くには不可欠だ。

 「要介護の原因は、認知症、脳卒中、高齢による衰弱ですが、要支援は関節疾患が多い。ロコモティブシンドローム(運動器症候群、以下ロコモ)や認知症、脳卒中にも関わる心血管病などを退けなければなりません。人は誰でも老いますが、ご自身の体に『健康資産』をいかに蓄えるか。それが重要な時代になっています」

 こう話すのは、東京医科大学病院トータルヘルスケアセンターの山科章センター長。心臓病の診断・治療のエキスパートで予防医学にも力を注ぎ、今年7月、トータルヘルスケアセンターを開設し「人生100年時代」をサポートしている。

 「健康資産」とは予備能力のこと。老化で骨や筋肉などは弱くなるものの、実年齢よりも丈夫ならば、当然、老化に抗うことは可能だ。たとえば、山科医師は67歳だが、トータルヘルスケアセンター実施の「ロコモ健診」の結果で、左足の下肢筋力年齢はなんと「20歳」、右足は「32歳」。標準よりも下肢筋力は「強い」との評価を得ている。

 「ゴルフをしていると、加齢とともに飛距離が落ちて体力の低下を痛感します。それで筋トレなどに励むわけです。運動習慣を持っていないと老いに気づかずに放置してしまうことがある。改善することが大切です」

 ロコモは、07年に日本整形外科学会が提唱した概念。ひとつの目安が「40センチの台からの片脚立ち」で分かる。

 (1)まず40センチの台に両腕を組んで座り、反動をつけずに立ち上がり3秒間キープ。

 (2)両腕を組んで座り、片方の脚を上げて、もう片方の脚だけで反動をつけずに立ち上がり、3秒間をキープ。

 これができないと「ロコモ度1」で、移動機能の低下が始まっている状態と判定される。無理のない範囲でお試しを。

 「高齢になってから中年期の『運動不足』を後悔する人は多い。運動習慣がない状態が続くと、腰痛や膝痛にもつながります。とはいえ、人生100年時代では諦める必要はありません。専門医に診てもらい、健康資産を貯えればよいのです」

 膝痛などがない人は、無理のない範囲で「イスつかまり片脚スクワット」(別項)にチャレンジしてみよう。脚の筋肉強化につながる。

 「これからの健診は、病気を見つける手段ではなく、『健康資産』形成の目標を見極めるために役立てるべきです。運動習慣のみならず、脳活や口腔ケア、視力の維持など、ご自身の状態を把握して健康寿命を延ばしましょう」と山科医師。

 ■イスつかまり片脚スクワット

 (1)安定したイスの背もたれやテーブルにつかまる

 (2)片方の脚を床から離し、もう片方の脚をゆっくり(4秒が目安)曲げる。膝をつま先より前にださないようにするのがコツ

 (3)曲げた膝をゆっくり上げる

 (4)次に反対の脚でも同様のことをする

 (5)左右2回ずつ4回繰り返す

 (6)終わったら腿(もも)を上げながらの足踏みを8回行う

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