zakzak

記事詳細

【ガマンは禁物 慢性痛に克つ!!】頭痛、腰痛、肩こり…痛みの原因“体だけ”とは限らない!

 頭痛や腰痛、肩こりなど、痛みは生活の質を下げる最大の要因だ。一時的ならガマンもできるが、数カ月以上続く「慢性痛」になると、仕事、生活、あらゆる活動の気力がそがれてしまう。

 『日本における慢性疼痛保有者の実態調査』(臨床整形外科 47巻2号、2012年2月)によると、日本の慢性痛患者数は約2300万人、成人の22・5%と推定される。数兆円規模の経済的損失といっても大げさではない。痛みは放置してはいけない症状なのだ。痛みに対処しないで「慢性疼痛」になってしまうと、昨年世界保健機関が認定した、れっきとした病気になる。

 痛みの治療というと、薬物療法や理学療法(マッサージなど)、手術療法などがすぐに思い浮かぶだろう。とくにMRIなどの画像検査で原因が推測された場合、手術をして原因を取り除けばいい、ということになりがちだ。しかし、横浜市立大学附属市民総合医療センター・ペインクリニックの北原雅樹診療教授は、「慢性の痛みは、体だけが原因で起こっているとは限りません」と話す。

 最近では、お笑いトリオ・ネプチューンの名倉潤さん(50)が、頚椎椎間板ヘルニアの手術後、うつ病を発症し休養して話題となった。先日仕事に復帰したが、無理のない範囲でぜひ活躍し続けてもらいたい。

 その名倉さんが罹患した頸椎椎間板ヘルニアとは、首の骨の間に存在する繊維状の軟骨(椎間板)の組織が飛び出し(ヘルニア)、神経を圧迫している状態のこと。首や肩、腕や手に痛みやしびれなどの症状が現れることがある。ヘルニアを取り除き、神経の圧迫が解除されれば、痛みなどの症状がなくなることもある。しかし少なくない割合で、手術をしてそれが成功しても、痛みが取れない、残る場合があるのはよく知られていることだ。

 「痛みが主訴である病気の場合は、原因と思われる画像診断等が出たとしても、他の可能性はないのか、しっかり見極めることが大切です。名倉さんの場合、芸能界の第一線で活躍されてきて、われわれが想像する以上のストレスを感じていた可能性は高い。もともとストレスがあったり、うつが隠れていたりした可能性はなかったのか、という疑問は残ります。手術は必要だったのかもしれませんが、もともとそうした状態であれば、手術がうまくいかなかったり満足がいかなかった場合は、うつが出やすくなるのです」(北原医師)

 痛みの種類は、要因別に分けると、「侵害受容性」(ケガなどの刺激)、「神経障害性」(痛みを伝える神経の損傷や疾患)、「心理社会的」(ストレスや社会的背景などがもたらす痛み)、そしてそれらが混ざった「混合性」がある。慢性的な痛みは、原因が複数ある混合性疼痛であることがとても多いそうだ。

 とくに「心理社会的疼痛」というと、気のせい、と軽く考えられがちだが、北原医師は「人間の体は心身相関があるので、心と体というのは、そんなに厳密には分かれていません」と語る。

 「脳の中の化学物質や電気信号のやり取りが、感情とか心理的なことを起こすとします。それなら、同じ脳が痛みや運動の神経を司るのだから、その化学物質や電気信号の“漏れ”や相互作用によって、原因部位以外の別のところに反応があってもおかしくないはずなんです」

 次回(23日掲載)は、手術後の痛みについて。(石井悦子)

関連ニュース

アクセスランキング