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【ガマンは禁物 慢性痛に克つ!!】対症療法を講じつつ…「痛み」の根本原因を根気よく探そう!

 痛みとは、体の「警告」で、生命維持に必須の機能だ。しかし、その機能が過剰になると、痛み自体がヒトに危害を及ぼすことになる。

 痛みのメカニズムを簡単に説明すると、急性痛はもちろん慢性痛でも、どんなに検査をしても体の問題が見つからない痛みでも、その始まりは、ケガや同じ姿勢などの外からの力から来ている。

 外から力がかかり、体に問題が起こると、そこから痛みを起こす物質が分泌される。それを受容器細胞が受け取り、電気信号に換える。電気信号は神経を伝って、脳に送られる。脳はそれを受信し、痛みを感じる。痛みを感じると、筋肉に司令を出す交感神経が緊張し、筋肉が反射的に緊張する。

 この一連のメカニズムが短時間あるいは数回程度で終われば、痛みは慢性化することはない。しかし、痛みが長引いて、受容器や脳が過敏になったり、交感神経がストレスなどで常に緊張していたりすると、通常なら痛みと感じないような刺激でも、痛みと感じてしまうことが頻発。そして、痛みの悪循環、つまり慢性化が起こる。また、痛みが元の部位から広がってしまうこともある。

 このような慢性痛が筋肉で起こっている状態を、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)という。加茂整形外科医院(石川県小松市)の加茂淳院長によると、多くの慢性痛はMPSが関係しているという。

 「痛みが肩で起こると五十肩、腰で起こると腰椎すべり症や腰椎椎間板ヘルニアや脊柱菅狭窄症、腰からお尻までにしびれがあると坐骨神経痛、膝の軟骨が減って痛いというと、変形性膝関節症、という名前がつきます。しかしこれらの本態は、筋肉の痛みであるMPSであったり、MPSの痛みが混在していたりすることがほとんどです」

 横浜市立大学附属市民総合医療センター・ペインクリニックの北原雅樹診療教授も、MPSについてこう話す。

 「筋肉に対する過剰な負担と、十分な休息をとっていないことによって起こる筋肉の異常な痛みです。多くの人が研究していますが、いまだによくわかっていません。本当に筋膜で問題が起こっているかどうかすら実はわかっていないのです」

 MPSの治療法についても、現在多くの研究がなされている。しかし「トリガーポイント」「圧痛点」と言われる、痛みの元となっていると考えられる部位に対して物理的な刺激を加えると痛みが緩和することは、実は古代から知られていることだ。

 その部位を刺激するのに、鍼でも指圧でもマッサージでも温熱でもよい。加茂院長は長年の経験から、圧痛点に麻酔薬を注射する「トリガーポイントブロック療法」を行っている。北原医師も、必要と診断した患者に鍼を打つ「筋肉内刺激法」を行うことがある。さらに近年は、「筋膜」に注目し、そこに存在するとするトリガーポイントに注射をしたり、固まってしまった筋膜を体操で伸ばしたりすることで「リリース」するという治療法や体操が出てきている。これらのどの治療法でも、目利きの医療者が施術すれば効果はあると両医師は言う。

 しかし、これらはどんなに効果があっても対症療法だ。痛みを慢性化させないためには、痛みを取るあらゆる手立て、つまり対症療法を講じつつ、一人一人に合った根本の治療法を地道に探す必要がある。食事療法をして体重を減らしたり、運動をして筋力をつけたりすることも、実は大切な治療だ。また、人まかせにせず勉強をし、自ら病院、医師を選ぶことでも、根治に近づいてほしい。(石井悦子)

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