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忖度なしでおいしい老舗2軒! 「来集軒」と「福寿」

 ある日の夜、宮城県からラーメン店主3人と関係者1人が来て都内のラーメン店主たちと一緒に飲み食いをした。その際に「都内のどこのラーメン店に行ったらいいか?」という話をして、最終的には「老舗に行きたいと思う」ということになり、何軒か候補を挙げた。

 そんな話をしていたら私自身が老舗に行きたくなった。そこで1950(昭和25)年創業の「来集軒」(浅草)に翌々日に行ったのだが、なんとその4人が食べていた(笑)。

 たまに王道の中華そばを出す店に当たったときに「昔懐かしい中華そば」と表現することがあるが、この店は約70年の歴史があるが「昔懐かしい味」ではない。他にないタイプの味なので今食べても新鮮なのだ。そしておいしい。こういう老舗を食べて「おいしい」と表現する際には、リスペクトの意味も含む場合がある。しかし、これもまたこの店に関しては、そんな忖度(そんたく)せずに「おいしい」と思う。

 もちろん若くてラーメンを食べ歩いている人に食べてもらって絶賛してもらえるかどうかまでは自信がないが、20年以上ラーメンが好きで食べてきた人ならここは間違いなくおいしいと思えるはず。

 スープは豚骨豚足鶏ガラにキャベツやニンジン、玉ねぎなども加え、甘味を出している。醤油ダレを効かせているのもクセになる。麺は今どき珍しいほどの縮れ麺でこの麺もいい。焼売も人気だがこの日は頼むのを忘れてしまったのでまた行かなきゃ。

 先に食べ終えた4人は車なので次へ向かい、私は浅草で軽い用事を済ませて電車で次の老舗に向かった。52(昭和27)年創業の「福寿」(笹塚)である。ドアを開けるとさっきの4人が座っていた(爆笑)。

 打ち合わせも何もしてないのにこんなこともあるなんて! 老舗はたくさんあるし、普通なら翌日に行ってるはずなのに1日おいて行くなんて。しかも時間も順番も同じとは…。

 私は3年ぶりの「福寿」。何度も来ているがラーメン(今どき500円)かワンタンメンしか食べたことがないので今回は五目ラーメンにしてみた。

 二代目店主はラーメンを作っているときは怖そうだが話してみるとめっちゃ面白い。「さっき食べて帰った人たちは宮城県の有名な人気ラーメン店主なんですよ」と伝えると「えぇ~だったら先に言ってよ!。ちゃんと作ったのに~。味、大丈夫だったかな?!」と笑い「サインもらえばよかった」と、実におちゃめである。

 五目ラーメンはチャーシューの味が濃いめなのとシイタケの味付けがスープと合わさってよい相乗効果を生みだしている。本当においしくてスープを飲み干した。約70年の歴史を積み上げた味は今食べても忖度無しでおいしい。

 ■ラーメン耳寄り情報

 福寿(笹塚) 1952年1月7日創業の老舗。二代目店主が1人でやっており、いまだにラーメン500円。写真は五目ラーメンだがそれでも630円。スープを飲み干すと丼の底には「日本一」と書かれている。外観と内装は映画やTVでも使われるほどの昭和風情。それでも味はいい。

 ■大崎裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2019年6月現在で1万2500軒、2万5500杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役、日本ラーメン協会理事。Webおよび携帯の「ラーメンバンク」を運営している。

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