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「成分・効果がほぼ同じなら…」に医師が警鐘! 医療従事者のジェネリック使用率が低いワケ

 「このお薬にはジェネリックがありますが、ジェネリックにしますか」と調剤薬局で聞かれ、具体的な違いはわからないまま、「安いなら、そっちで」と答えたことがある人も多いのではないか。そんな中、ジェネリックに関する衝撃的な本が話題となっている。

 「ジェネリック」とは、新薬として開発された先発医薬品の特許が切れた後に作られる「後発医薬品」のこと。「成分や効果がほぼ同じなら、構わない」と思う人は多く、社会保障費の高騰を背景に、国が後押ししている。

 だが、そうした現状に警鐘を鳴らすのが『医者はジェネリックを飲まない』(幻冬舎)の著者で、内科医の志賀貢医師。

 「私の友人、知人の開業医はほとんど、患者には先発医薬品をまず使うと断言しています。理由は、主治医を務める立場として、大切な患者の命を守るためには最高最善で安全性の高い治療をしたいということのようです」

 本書では、「医師国民健康保険組合のジェネリック使用率は58・2%」「製薬会社が加入する健保組合のジェネリック使用率は60・4%」といったデータから、医療従事者のジェネリック使用率の低さを指摘する。

 では、そもそも先発医薬品とジェネリックは何が違うのか。

 本来ジェネリックは有効成分が先発薬と同じだから安全-とされている。しかし、有効成分は同じでも、原料や添加物、製造過程などが異なる可能性はある。また、原料の輸入率は高く、使用されてきた歴史も先発医薬品とは異なるだけに、安全性のエビデンスが不十分であると考える医師もいるそうだ。

 2018年7月に報じられた「高血圧症治療薬のジェネリック・バルサルタンから発がん性物質検出」というニュースから、ジェネリックに対して疑いの目を持つようになった人は少なくない。

 もちろんジェネリックには安全で質の良いものはたくさんあるが、薬の安全性が確立するには長い時間が必要だ。にもかかわらず、今年の10月からは、医師が処方する薬の80%をジェネリックにする方針が決められた。

 「薬の使用に制限を設けられることは、医者と患者の両者にとって薬の選択幅が狭められ、病気の治療上も大変困惑することが増えてくる。事実、生活保護の患者は、全てジェネリックで治療していますが、肺炎などの重症患者に出会った時には、“薬の一流品”が使えないことに、医者として心が痛むことがあります」とは著者の弁。

 薬害から身を守るためにはどうしたら良いのか。著者はこう勧める。

 (1)副作用が公表された薬品はただちに服薬を中止しよう 先発医薬品もジェネリックも、ベースになっている原薬の材料は同じであるため。

 (2)命に関わる薬は、ただちに安全な薬に切り替えよう 血圧や心臓などの病気の場合、薬を中断するのは危険。別の薬に切り替えを。

 (3)総合診療医を見つけよう 薬の判断は素人には難しい。多剤服用を避けるためにも、あらゆる診療科に精通する「総合診療医」を探そう。

 患者側としては、薬を先発医薬品から変えられたら、まず説明を求めること。それに対して嫌な顔をする医師と長く付き合う必要はない。早々に切り上げて、信頼できる「かかりつけ医」を探すことをお勧めしたい。(田幸和歌子)

 ■世界の三大特効薬とそのジェネリック

 (1)アスピリンと、そのジェネリックのバイアスピリン

→抗血栓作用があり、動脈硬化の予防や心筋梗塞・脳梗塞の予防・再発防止に大きな働きをする

 (2)ワーファリンとそのジェネリックの数々

→ワーファリンは日本の製薬会社が発売している先発医薬品で、ジェネリックも安全性が高い。血栓予防に使用される

 (3)ニトロール、ニトロールRと、そのジェネリックのニトロペンなど

→ダイナマイトの原料であるニトログリセリンから生まれた狭心症の特効薬。心筋梗塞、心臓ぜんそく、アカラシアなどの一時的寛解などにも

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