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岐阜に“103年ラーメン”あり! 「丸デブ総本店」

 日本で初めてのラーメン店「来々軒」が浅草に誕生したのが1910(明治43)年。すでに110年がたっているがその店は残念ながら閉店している。しかし100年を超える老舗が岐阜にある。17(大正6)年創業の「丸デブ総本店」だ。

 この店は「来々軒」の流れをくむ店で店名は創業者の風貌から付けられたニックネームから来ている。メニューは中華そばとワンタンの2つのみでこれは創業当時から変わらない。

 現在は3代目が弟と一緒に切り盛りしている。最近値上げしたばかりだがそれでもどちらもワンコインの500円。企業努力の賜といえよう。最近はテレビなどで紹介される機会も増え、行列が絶えないという。

 そこで今回は地元の常連と同行して開店前に行ってみた。営業時間は11時なのだが10時過ぎに行くと店内は真っ暗。もちろん暖簾も出ていない。ところがドアを開けて入っていき、席に着く。少し待つと続々と常連が入ってきて席を埋めていく。店頭で並ばせる店がほとんどだがこのシステムはありがたい。

 2人なので中華そばとワンタンを注文。常連なのでお店の人が「麺はやらかめ?(やわらかめ、ではない)」と聞いてくる。いつもはその「やらかめ」で食べるのでそう聞かれたようだが今回は私が食べるので標準で。

 私は20年近く前に来たことがあるのだが、その時は1人だったので中華そばしか食べていない。名物のワンタンを食べてないのが心残りだったのだ。そこで2人同行して久しぶりの中華そばと未食のワンタンをシェアして食べてみたかったのだ。

 小さな器だがヒタヒタに入った麺とスープは少しこぼれるほど。麺は製麺所に特注したかん水少なめの、そばとうどんの中間のようなストレート細麺で200グラムも入ってる。東京では一般的に150グラムくらいといわれているので量は多めだがスルッと入る。

 鶏ガラに溜まり醤油を合わせた甘めの和風だしにこの柔らかめの麺が合う。一方ワンタンは自家製で具はミンチが少量。薄くのばしてトゥルントゥルンと喉越しの良い仕上げになっている。具はどちらも同じでチャーシュー3枚とカマボコ、ねぎ。

 同じだしのハズだが飲み比べてみると味が違うのも面白い。1人で2つを食べていく人も少なくないようだ。1日で作られる杯数が限られているため、予定数が売り切れたら終了。遅くとも夕方には終わる。

 20年ぶりに来て改めてその歴史とこの店の存在に圧倒。もちろん「今風」の味ではないが、むしろ全国の食べ歩きはこういう「文化」との出会いが楽しい。そこでしか食べられない味、これこそが食べ歩きの醍醐味(だいごみ)だ。

 ■ラーメン耳寄り情報

 丸デブ総本店(岐阜) 1917年創業の「百年食堂」。昔ながらの中華そばとワンタンの2つのみのメニューをどちらも500円で提供。最近ますます注目され、行列ができる人気店になっている。ラーメン的見地からは日本の「麺文化遺産」である。

 ■大崎裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2019年6月現在で1万2500軒、2万5500杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役、日本ラーメン協会理事。Webおよび携帯の「ラーメンバンク」を運営している。

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