zakzak

記事詳細

手のしびれには「エクオール」が有効

 整形外科の領域の一つに「手外科」がある。その名の通り、「手」に起きる症状や疾患の診断と治療に特化した診療科だ。今回紹介するのは、この「手外科医」として知られる平瀬雄一医師が著した新刊『私の手はなぜ痛いのか、しびれるのか、曲がっているのか』(幻冬舎刊)。

 「へバーデン結節」「ブシャール結節」という病名を聞いたことがあるだろうか。前者は指の第一関節が、後者は第二関節が腫れる指の変形性関節症だ。いずれも痛みを伴うだけでなく、モノを持つ、握る、キャップを開ける-などの動作がしにくくなるなど、日常生活で大きな支障を招くことになる。

 こうした疾患には、テーピングや装具の使用、関節内へのステロイド注射、あるいは人工関節を入れる手術などの治療法が考えられる。

 他にも別項のように、手や指に起きる疾患は意外に種類が多いのだが、これらには共通する特徴がある。それは「産後授乳期」と「中高年」の「女性」に多い-という点。そして、この3つの要因を結びつけるのが、「エストロゲン」という女性ホルモンなのだ。

 女性が閉経を迎えると、分泌されるエストロゲンの量が急激に減るため、様々な症状が「更年期障害」として出る。症状としてよく知られているのが「ホットフラッシュ」という強烈な火照り。実際に、症状として多い訴えは、肩こり、腰痛、不安、そして「手のこわばり」だという。

 著者によると、日中に手を使って関節に腫れができても、若いうちは夜寝ているうちにエストロゲンが作用して症状を治めてくれていた。ところが、閉経によりエストロゲンが出なくなることで関節周囲の腫れが常態化してしまう-のだ。

 そこで重要になるのが、減少する女性ホルモンを補充する「ホルモン補充療法」。従来はエストロゲンそのものを補充するなどの治療法もあるが、著者が注目するのが「エクオール」というイソフラボン由来の化合物。大豆に含まれるイソフラボンを摂取すると、腸内で分解される過程でエクオールは産生されるのだが、そのためには特殊な腸内細菌が必要となる。この細菌を持っていない人はどんなに大豆を食べても十分な効果が期待できない。

 そこでエクオールをサプリメントとして摂取することで、減少する女性ホルモンの代替作用を得よう-という考え方だ。

 著者はすでに臨床においてエクオールのサプリメントを使った治療で実績を挙げており、そのメカニズムと臨床例が詳しく解説されている。

 「手の痛みやしびれが、単なる老化や使いすぎだと思っている方、曲がった指の見た目に悩んでいる方にぜひ読んでもらいたい。特に家族に症状がある方は、遺伝性の発症を防ぐ方法も書かれているので、長年の悩みが解消される一冊になると思います」と語るのは、編集を担当した幻冬舎編集2局局長の鈴木恵美氏。

 人生の後半をつつがなく過ごす上で、「妻の手」を大切にすることはとても重要なこと。夫婦で読んで勉強したい。(竹中秀二)

 ■いろいろある「手の疾患」

 □手根管症候群…手のしびれ(特に小指以外のしびれが強い)

 □肘部管症候群…小指からひじにかけて痺れる。指が開きにくくなり、箸を使いづらくなる

 □母指CM関節症…ビンやペットボトルの蓋が開けられない

 □ばね指…手がこわばる。指が曲がったまま固まる

 □ドケルバン病…親指の付け根から手首にかけて痛む

 □ガングリオン…手や指の関節部が膨らむが痛みはない

 □マレット指…突き指をしてから第一関節が伸びない

関連ニュース

アクセスランキング