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官能小説のツボは「どんな女とヤリたいか」 想像力かきたてる一見かけ離れたタイトル 末廣圭さん『筆いじめ』 (1/2ページ)

 妄想ほどステキなものはない。官能小説の主人公になったつもりで、次々と美女をイカせてゆく悦びといったら…。約20年間約1000人もの女の淫らな姿を書いてきた末廣圭さん。エロい想像力をかきたたせる「筆」さばきを、とくとご覧あれ!(文・南勇樹 写真・渡辺照明)

 --官能小説のツボは

 「結局、どんな女とヤリたいか、でしょうね(笑)。主人公(の男)の人間像を決めたら、自分がそこに入り込んでゆく。まぁ、『分身』みたいなもんですな。私は、これまでに官能小説を200冊以上書いてきた。1作に4、5人の女が登場するから、約1000人の違うタイプの女を書いてきたことになりますかね」

 --ネット上では過激な映像があふれているが

 「官能小説は(自分勝手に)妄想を膨らませられるところが、いいんだと思う。だから私は、(『セックス』などの)即物的な言葉や表現はあえて使わないようにしているんです。タイトルも自分で決めますが、『人妻』『女教師』などといったありがちなものはつけません。一見、官能とはかけ離れている方が、想像力をかきたてるでしょ。私は取材もしません。ほとんどは頭の中で書いています」

 --本作は、書道教室の先生が主人公

 「日本の伝統や文化を題材にした一連のシリーズなんですよ。書道教室の先生だから『筆いじめ』。妄想できるでしょう。簡潔でインパクトがあるタイトルがいいんです。惜しむらくは、タイトルの『筆』は毛書体にして、(書道だから)縦書きにするまで凝ればよかったかな」

 ■夕刊フジで連載を書いて以来20年、官能小説一筋

 --そもそもなぜ官能小説を

 「きっかけは『夕刊フジ』ですよ。約40年間編集者をやっていた私が出版社を辞めるとき、夕刊フジが『官能小説の連載をやらないか?』と誘ってくださった。『お前は女好きだから書けるだろう』って。文章なんてほとんど書いたことなかったけど、当時、注目されていたバイアグラを題材にして書いた小説が好評で、本にもなった。以来約20年、官能小説一筋です」

 --「女好き」ということは、実体験も反映されているのでは

 「まぁ多少は…。私はお酒は飲まないけど、編集者時代には、毎晩のように銀座に出撃して、美形の女たちと“語り合って”いました。ただ、私の体験などを書いても、面白くも何ともありませんよ。小説の大部分は、想像力のなせるわざです」

 --最近の官能小説の読者層は

 「うーん、最近はやっぱり高年齢化していますね。50代後半から60代がメイン、70代の読者もいますよ。私の場合、女性の読者も結構、いるんです。ただし、若い人たちは、スマホばかりに夢中で、小説のような長い文章はなかなか読んでくれない。官能小説の売れ行きも最盛期の4分の1か、5分の1くらいに減ってるかな。バリバリ一線で書いている官能小説家は10人から15人くらい。食えなくて辞めていった作家がどれほどいたことか。厳しい状況ですよ」

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