【元首相主治医が明かす 政治家と病】安倍晋三前首相「病気退任」決断に納得 ストレスと無縁だった細川護煕氏 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【元首相主治医が明かす 政治家と病】安倍晋三前首相「病気退任」決断に納得 ストレスと無縁だった細川護煕氏 (1/2ページ)

 菅義偉・新首相が誕生して、早いもので10日余りがたった。病気を理由に退任した安倍晋三前首相だが、その後、病状のほうは落ち着いているようなのでなによりである。いっとき、「病気を理由にした逃亡」とまで批判されたが、「潰瘍性大腸炎」である以上、退任は納得がいくものだった。なぜなら、この病気は寛解が難しく、個人差が激しいからだ。

 安倍氏の場合、公務に支障をきたすところまできていたことは、容易に推察できる。「病は気から」というように、病気が悪化すれば、気力も落ちる。致し方ないことだ。

 なぜ、私がこう思うかと言うと、かつて総理の主治医という大役を仰せつかっていた経験があるからだ。細川護煕氏とは長年の付き合いで、折にふれ健康アドバイスをし、健康診断などを行ってきたが、あれよあれよという間に総理になってしまった。1994年のことだった。

 細川氏の“電話魔”ぶりは有名で、総理になっても変わらなかった。多いときは週に3、4回、秘書も通さずに電話があった。その電話をまだ小学生だった息子が取ったことがあったが、相手が総理だとは絶対に信じなかった。

 細川氏が総理になって、私はストレス過多による体調不良を起こさないかと心配した。それで、当時の最先端の会員制健康管理クラブの会員になるように勧めたが、あっさり断られてしまった。留守中に電話があり、応対した家内は「ちょっと値段が高い気がしますのでお断りします。そう先生にお伝えください」と言われた。

 細川氏というのは、本当に自然体の方だった。このように、思ったことをそのまま言う。こういう方はストレスが溜まらないので、病気にはならない。実際、細川氏は健康模範生と言っていいほど健康体だった。

 自然体の人は、口うるさく注意されるのを嫌う。ヒトラーはたびたび主治医を変えたというが、その点、細川氏はできすぎた患者だった。アドバイスを受けて納得がいけば、それに従う。軽い運動が必要だと勧めると、普通の人は「わかりました」で終わるが、細川氏は「どういう運動ですか」と、突っ込んで聞いてくる。そして、翌日には自転車を購入してサイクリストになっているといった具合だ。

 政治家と医師の関係は難しい。安倍前首相の場合は、持病を持っていたから、とくに難しかっただろう。ドクターストップと一口に言っても、それが本人ばかりか、国政、国民に関わることになってしまう。

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