【ここまで進んだ最新治療】ADHDの25~50%に睡眠障害 発達障害を持った6~15歳に使える、子供用睡眠改善薬「メラトベル」の効果 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【ここまで進んだ最新治療】ADHDの25~50%に睡眠障害 発達障害を持った6~15歳に使える、子供用睡眠改善薬「メラトベル」の効果

 子供も大人と同様に4~5人に1人は、何らかの睡眠の問題を抱えているといわれる。特に「自閉スペクトラム症(ASD)」や「注意欠如・多動症(ADHD)」などの発達障害(神経発達症)の子供は睡眠障害を合併することが多いが、これまで承認された睡眠改善薬がなかった。

 それが今年6月に、発達障害の子供に対して保険適用で使える国内初の睡眠改善薬(商品名・メラトベル)が発売された。発達障害と睡眠障害にどんな関係があるのか。獨協医科大学埼玉医療センター・子どものこころ診療センターの作田亮一教授が説明する。

 「ASDの40~80%、ADHDの25~50%に睡眠障害がみられるといわれます。寝付きが悪い、夜中に目を覚ましてしまうなど慢性的な睡眠不足があると、日中の多動やちょっとしたことで興奮しやすい、イライラなど感情コントロールができない発達障害の症状が強く出て、それがまた睡眠の問題を悪化させるといった悪循環が起こりやすいのです」

 人が夜になると眠くなるのは、脳の松果体から睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌されるから。そして朝起きて日光を浴びると、メラトニンの分泌が止まり、体内時計がリセットされる。これがスイッチとなり、15~16時間後に再びメラトニンが分泌されるというリズムを繰り返している。発達障害があるとメラトニンの分泌が鈍く、体内時計のリズムも乱れやすいという。

 発達障害の子供の睡眠障害に対する薬剤は、これまで海外でサプリとして市販されているメラトニンを個人輸入して使用したり、大人の睡眠改善薬として承認されているメラトニン受容体作動薬などを適応外使用していた。

 メラトベルの有効成分はメラトニンそのもの。副作用は眠気(4・2%)や頭痛(2・6%)が報告されているが、もともと体内で分泌されている成分なのでほとんど心配ないという。処方できる年齢は6~15歳で、すべての発達障害(7つの神経発達症)が対象。1日1回1ミリグラムを就寝前に内服する。

 「メラトニン受容体には、睡眠の導入に関連するMT1と後退した睡眠相の調節に関与するMT2がありますが、メラトベルはどちらにも作用します。国内の治験では、おおむね2週間の服用で入眠潜時(寝つき)が30分短くなるという結果が得られています。ただし、薬剤はあくまで補助的なもの。朝は日光を浴びる、朝食をとる、日中は体を動かす、などの生活習慣の見直しが最も重要であることは、従来と変わりありません」

 メラトニンを服用して睡眠障害が改善することで、日中の発達障害の症状にどの程度良い影響がおよぶかに関しては、今後の検証が必要になるという。子供が質の良い睡眠をとれるようになることは、何より親の負担の軽減になるはずだ。(新井貴)

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