【追跡 コロナ第3波と「性の変化」】キスは要注意だが…性交渉自体で感染しているかは明らかになっていない - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【追跡 コロナ第3波と「性の変化」】キスは要注意だが…性交渉自体で感染しているかは明らかになっていない

 寒波とともに新型コロナウイルス感染症の感染者が再び増加している。第3波は、このまま本格化するのだろうか。誰もが気になっているところだろう。

 「感染者の増減は、ほぼ人出に比例しています。8月は減少傾向でしたが、街に人が戻ってきて、GoToトラベルでは各地の観光地が賑わっていますので、また増加に転じるのではないでしょうか」と話すのは、日本感染症学会感染症専門医の岡慎一氏。

 コロナウイルスの主な感染ルートは飛沫(ひまつ)と空気感染である。また、咳、くしゃみ、おしゃべりなどで、飛び散ったウイルスが落下すれば、それに触れたことによって感染は起こりうる。自分を守るため、またこの病気を拡散させないためにも、マスクは必須アイテムであり、もちろん手洗いは欠かせない。

 そして改めて、ではあるが濃厚接触の最たるものであるセックスでコロナウイルスは感染するのだろうか?

 つまりコロナは性的交渉と関連があるのかという素朴な疑問を岡氏にぶつけてみた。

 「相手がウイルスを持っていれば唾液中にも大量に存在するので、キスをすれば感染する確率が高まります。このウイルスは肛門からぬぐった液や便中にも存在するという報告があり、糞口(ふんこう)感染を起こす可能性はあります。男性同性愛者は、性交渉で移りうることになります。しかし、男女問わず、見知らぬ人と性交渉することは、新型コロナ感染という点で考えれば。ハイリスクであることは言うまでもありません」

 新型コロナウイルスは膣分泌液からは検出された報告はないが、精液からはPCR検査で検出されたという報告が英文誌に掲載されている。

 しかし、そのウイルスに増殖力があるわけではなく、性交渉自体で感染しているかは明らかになっていない。

 ちなみに、前述した、糞口感染とはウイルスを含む糞便が手指を介して口に入る経路のことを指している。用を足した後、食事前の手洗い・消毒には決して手を抜かないことだ。

 新型コロナ感染予防の基本は、密閉・密集・密接の「3密」を避けるべきとされている。このことから、風俗業が危ないといわれてきたが、岡氏は「空気感染を考えればそれ以上に危険な場所は他にあります。例えばカラオケボックスのような場所。注意すべきは『3V』です」と警鐘を鳴らす。

 3Vとは、Venue(会合場所)、Ventilation(換気)、Vocalization(発声)である。

 換気の行き届かない空間に5~6人が集い、大声で歌うのは最も危険で、人が増えればさらにリスクが上昇する。

 それと比較すれば、性風俗でキスをすることなく、マスク着用かつ対面会話禁止でサービスを受けるほうが、リスクは低いとも言えるのではないか。しかも1対1のサービスなので、バーやクラブよりもクラスターにはなりにくい。

 都内のある風俗店では現在、コロナ対策として、スタッフの出勤前の検温、手洗い、殺菌うがい、アルコール消毒を徹底。室内の換気、湿度管理、消毒などもしっかり管理しているという。それでも、風俗店を含む夜の繁華街では、たびたびクラスターが発生して「危険ゾーン」と名指しされる地域もあった。風俗業界や日本人の性生活にはどのような変化が起きているのか。次回からさらに探っていく。 

(医療ライター 熊本美加)

 ■岡慎一(おかしんいち) エイズ治療・研究開発センター(ACC)長。米国NIH/NIAID客員研究員、東大医科学研究所感染症研究部助教授、国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター部長などを経て、2006年より現職。熊本大エイズ学研究センター客員教授併任。

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