【ここまできた男性不妊治療】男性側の不妊原因の8割が「造精機能障害」 「精索静脈瘤」は手術で7割が改善 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【ここまできた男性不妊治療】男性側の不妊原因の8割が「造精機能障害」 「精索静脈瘤」は手術で7割が改善 (1/2ページ)

 国立社会保障・人口問題研究所の2015年調査によると、国内の夫婦の5・5組に1組が不妊の検査や治療を受けている。その不妊症の約半数は、男性側にも原因があるのだ。では「男性不妊」は、どういったことが原因で起こるのか。

 東邦大学医療センター大森病院・リプロダクションセンター(泌尿器科)の永尾光一教授が説明する。

 「男性不妊の原因は、3つに大きく分けられます。精子を造る機能に問題があり、精子の数が少なかったり、運動率が悪かったりする『造精機能障害』。十分に勃起しなかったり、射精できなかったりする『性機能障害』。そして、精子は精巣内で造られているけれど、精子の通り道に問題があって精子が出てこれない『精路通過障害』です」

 これらの原因によって、精液が出ない「無精液症」、精子数が少ない「乏精子症」、精子がいない「無精子症」、精子の運動率が悪い「精子無力症」、正常な形態をした精子が少ない「奇形精子症」などの精子異常が起こり、受精しにくくなるのだ。男性不妊の半数は複数の異常が認められるという。

 しかし、男性不妊の原因の8割以上は造精機能障害が占めている。そのうち約半数は原因不明の「特発性」で、次いで約37%は「精索(せいさく)静脈瘤(りゅう)」で原因が明らかな疾患の中では最も多い。精索静脈瘤は、精巣やその上の部分に静脈瘤(静脈が拡張したコブ)できる。心臓に戻るはずの血液が逆流するため、熱に弱い精巣の温度が上昇し、造精機能障害が起こるのだ。

 「精索静脈瘤は一般男性でも15%に見られますが、男性不妊では40%以上に認められます。乏精子症や精子無力症を引き起こし、進行性で精巣機能を障害するので2人目不妊の78%の原因になっています。精子の老化(加齢とともに質が低下)の最大原因です」

 造精機能障害の原因には、他にも「染色体・遺伝子異常」、服用している薬によって起こる「薬剤性」、脳のホルモン分泌の異常で起こる「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症」などもある。

 性機能障害は「勃起障害(ED)」と「射精障害」がある。射精時にオーガズムはあるが精液が出ない、少ないといった射精障害で代表的なのは「逆行性射精」。通常、射精時には交感神経の働きで前立腺と膀胱のつなぎ目が閉じるが、この働きが障害されて精液が膀胱内に逆流してしまうのだ。原因には、糖尿病の末梢神経障害、脊髄損傷、骨盤内のがんの手術後、薬剤の副作用などがある。

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