【麺喰いにつき】「東京で覚えた味」 鹿児島のラーメン文化に一石「煮干し百式 葉琉」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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「東京で覚えた味」 鹿児島のラーメン文化に一石「煮干し百式 葉琉」

 日本のラーメンが面白いのは「ご当地ラーメン」の存在である。地方(地域)によってまったく違ったタイプのラーメンが根付いているので地方のラーメン食べ歩きが楽しくてしようがなかった。しかし、ここ数年は情報の流通と都内で修業した人が出身地に戻って「覚えた味」を地元に持ち帰るケースが増えている。地方に行って話題の店で食べてみたら「首都圏ではやりの味」であることも少なくなってきた。

 2020年10月10日にオープンした「煮干し百式 葉琉」は鹿児島の豚骨ラーメン文化に一石を投じた。70年以上の歴史がある「鹿児島ラーメン」はやさしい豚骨ラーメンである。そんなご当地に都内ですらなかなかお目にかかれない「ドロドロ濃厚煮干」の店が誕生したのだ。

 店主は都内の店で修業し、まだ鹿児島では珍しかった「台湾まぜそば」を主軸とした「麺屋はる」を16年11月にオープン。「油そば」が少しずつ増えてきた鹿児島に「台湾まぜそば」の存在を知らしめたのである。そしてその「麺屋はる」時代に限定で出していた「煮干しラーメン」に手応えを感じ、自身二号店となる「煮干し百式 葉琉(はる)」をオープンさせたのである。

 メニューは、煮干しが効いた清湯醤油の「中華そば」。ドロドロ煮干しスープの「濃厚煮干しそば」。さらに極濃ドロドロの「極濃煮干しつけ麺」の3本柱。地方に行って同じ店に2回行くことはめったにないが、ここへは2回足を運んだ。「濃厚煮干しそば」を食べた後に「つけ麺はさらに濃いです」と言われて、気になって鹿児島滞在中にまた来てしまったのだ。

 最初に食べた「濃厚煮干しそば」も相当な「極ニボ」スープだった。煮干しが大好きな私にはたまらない煮干し感。実際は鶏白湯も加えたこってりスープなのだがまさに「飲む煮干し」と言える。丼一杯に50~60匹の煮干しが入っているくらいの濃度。果たして豚骨スープの「鹿児島ラーメン」の街でこんなに強烈な煮干し味が受けるのだろうか? と心配したが2回目に行った際は平日なのに開店前に何人もが並び、私が食べ終えた頃には10人を超える人が並んでいた。豚骨ラーメン文化の鹿児島でこれはスゴいことである。

 そして「最強に濃い」と店主が言う「極濃煮干しつけ麺」を食べてみた。スープというより、固形物に近い(笑)。東京で言えば蒲田にある「煮干しつけ麺 宮元」クラスである。鹿児島でこんな濃厚煮干しが受ける時代がやってきたんだ、とうれしいような寂しいような複雑な気持ちだった。それにしても驚くほどの「極濃煮干し」だった。

 ■ラーメン耳寄り情報

 煮干し百式 葉琉(鹿児島市鴨池) 台湾まぜそばで人気の「麺屋 はる」セカンドブランドとして昨年10月10日オープン。首都圏でもなかなかお目にかかれないほどの極濃煮干しを味わえる店。写真の「極濃煮干しつけ麺」が一番濃い。麺は都内の老舗製麺所「浅草開化楼」から取り寄せている。

 ■大崎裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2019年6月現在で1万2500軒、2万5500杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役、日本ラーメン協会理事。Webおよび携帯の「ラーメンバンク」を運営している。

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