【ブラックジャックを探せ】大腸がんの個別化医療に全力投球 国立がん研究センター東病院消化管内科・小谷大輔さん - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

大腸がんの個別化医療に全力投球 国立がん研究センター東病院消化管内科・小谷大輔さん

 「大腸がん啓発月間シリーズ」の第2回は、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)消化管内科の小谷大輔医師。最新の治療はもちろん、世界規模の治験や臨床試験で重要な役割を担う。大腸がん治療の将来を担う俊英だ。

 子供の頃、病弱な祖母の往診に来てくれる“近所のお医者さん”に憧れて医師を目指した小谷大輔医師。北大医学部を卒業後は九州に戻り、福岡の中核病院でがん治療に従事していた。

 ここで、あることに疑問を持つ。

 「手術の適応期を過ぎた患者への化学療法が画一的でない、言ってみれば、医師それぞれの“我流”なんです。これは勉強してみる価値があるのではないかと思って…」

 再び九州を離れて国立がん研究センターの門を叩いた小谷医師は、強烈なカルチャーショックを受けた。

 「飛び交う言葉の意味が分からないんです。それまでの自分の知識とは明らかにレベルの違う世界に踏み入ってしまった。こりゃえらいことになったぞって…」

 歯を食いしばって勉強を続けて7年が過ぎた。じつは小谷医師、5年間の研修が終わったら福岡に帰るつもりだった。

 「がんセンターに来て2年目の冬に父が血液のがんになり、4年目の冬に他界したんです。病気の進行によって変遷する父の症状と、それに伴い移ろう母や私自身の感情を、身をもって知った。この経験をがん治療医として生かしたいと考え、ここに残って仕事をさせてもらいたいと思うようになったんです」

 がんの個別化医療の確立を目指す臨床試験に取り組む一方、「生涯、臨床医でありたい」と考えるように。

 「将来どんな立場になっても、いま学んでいる、そしてこれから学ぶ知識と経験を、その時に目の前にいる患者さんの求めに合わせて活かしていきたい。それがいまの夢ですね」

 照れくさそうに笑うその表情に、「おばあちゃん思いの少年」の面影が浮かんだ。 (長田昭二)

 ■小谷大輔(こたに・だいすけ) 国立がん研究センター東病院消化管内科医員。1984年、熊本市生まれ。2009年、北海道大学医学部を卒業後、福岡市民病院、北九州市立医療センターに勤務。14年国立がん研究センター東病院レジデント、17年、同院がん専門修練医、19年から現職。日本消化器病学。

関連ニュース

アクセスランキング

×