【ここまできた男性不妊治療】記者体験手記(前編) 精子に元気がなく子宮に届かない…原因は「精索静脈瘤」 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【ここまできた男性不妊治療】記者体験手記(前編) 精子に元気がなく子宮に届かない…原因は「精索静脈瘤」 (1/2ページ)

 不妊治療が保険適用に向け動きだす中、不妊原因の約半数を占める男性側の意識はまだまだ低い。第3部は、積極的に治療に取り組んだ男性経験者の体験談から最新事情を見ていこう。

 年齢的なことを考え、妻と子供を作ることをはっきりと意識し始めたのは2014年1月ごろだった。私は36歳、妻は34歳。まずは自然に任せ、様子をみていた。

 だが、半年たっても兆候がない。自然妊娠は1、2年ほど待つようだが、物事をはっきりさせたい性格もあって、早めに専門の病院で精液検査をしようと考えた。

 日本では男性側が不妊治療に消極的なケースが多い。精液検査もなかなか広がっていない。「男の沽券(こけん)に関わる」みたいな意識もあるのだろう。

 手元に人生で初めて受けた精液検査の結果を示した紙がある。検査日は14年6月13日。病院内の“専用ルーム”で発射したばかりの新鮮な精液が検査に回され、1時間で結果が出た。

 所見は非常に悪かった。精子濃度はWHO(世界保健機関)の基準値を大幅に下回り、精子の運動率も良くない。妻の子宮に「1匹」も届いていないことが別の検査で判明。医師からは「自然妊娠は困難」と告げられた。

 精子の状態は体調によって大きく変化する。念のため同年8月にも2回、精液検査を受けたが、数値はやはり悪い。

 原因は「精索静脈瘤」だった。精巣やその上の精索部にできる静脈瘤(静脈が拡張したコブ)のことだ。静脈を逆流した有害物質が精巣に運ばれたり、熱に弱い精巣の温度が上昇し、精子を作る能力が悪化する。一般男性でも15%、不妊男性の40%以上にみられる、男性不妊の典型的な症状だった。

 私の場合、太さ3ミリの“太い静脈”が何カ所もあった。精索静脈瘤はやっかいで、エコーで存在は認められるが自覚症状がない。放置していても体に害がない。検査、診察してもらって初めてわかる。

 衝撃的な事実を突きつけられたが、希望もあった。精索静脈瘤は手術による治療が有効だったからだ。しかも局所麻酔で日帰りで済む。費用は20万円以上かかるが、体外受精など他の方法に比べれば随分安い。

 男性側の機能を改善することで自然妊娠が可能になるならそれに越したことはない。個人的に自然妊娠以外の手法にやや抵抗もあったので迷わず手術を決断した。

 最初の精液検査から半年後の14年11月20日午前10時、都内の病院で手術を受けた。安倍晋三首相(当時)が衆院を解散したのが11月21日。政治部記者だったので非常に忙しい中、病院に向かったことを覚えている。

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