【食と健康 ホントの話】男も必読!飲酒が乳がんリスク高める 「乳がん検診」という早期発見の仕組みを逃さないように - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【食と健康 ホントの話】男も必読!飲酒が乳がんリスク高める 「乳がん検診」という早期発見の仕組みを逃さないように

 女性が乳がんに罹患するのは、9人に1人(2017年度データより)。乳がんの発生には、女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られている。それに加えて、飲酒、閉経後の肥満、運動不足などの生活習慣も乳がんを発生するリスクを高めると考えられている。

 飲酒が乳がんのリスクを上昇させることは、これまでの欧米を中心とした研究から確実であるとされてきた。しかし、日本人女性は欧米女性より飲酒習慣は少なく、お酒に弱い人も多いことなどから、欧米人とは違う傾向がある可能性が考えられていた。

 これまで日本人女性を対象とした大規模な研究は行われていなかったが、欧米人との違いはあるのかどうかを調べるための研究が行われた。愛知県がんセンターがん予防研究分野の松尾恵太郎分野長と国立がん研究センター井上真奈美部長らの研究グループは、乳がんリスクと飲酒との関連を検討した、日本を代表する 8つの研究から約18万人を統合した解析を行った。とくに、エストロゲンの産生状況が大きく異なる閉経前と閉経後に注目した。

 その結果、飲酒は閉経前に発症する乳がんリスクを高めることが明らかに。一方で閉経後の乳がんに関しては明らかな関連は認められなかった。

 もう少し詳しく見てみよう。それぞれの研究で使用している飲酒習慣の調査結果から、飲酒習慣を頻度と量に分けて検討した。頻度は、現在非飲酒▽機会飲酒(週1日以下)▽ときどき(週1日以上4日以下)▽ほとんど毎日(週5日以上)-の4つのカテゴリーに、量は1日飲酒量で、0グラム▽11・5グラム未満▽11・5グラム以上23グラム未満▽23グラム以上-の4つにそれぞれ分類した。

 乳がんリスクに影響を与える他の要因を統計学的に調整した上で、非飲酒者とその他の飲酒カテゴリーの乳がん罹患リスクを算出、解析を行った。

 また乳がんの罹患を、閉経前と閉経後に分け、それぞれに対する飲酒の影響を検討。15万8164人の女性を平均14年追跡した状況で、2208人の乳がんの発生が確認された。

 その結果、閉経前の乳がんにおいて、飲酒頻度では非飲酒者と比較して、最も頻度の高い飲酒者の群で1・37倍、飲酒量では1日摂取量が0グラムの群と比較して 23グラム以上の群で1・74倍、乳がんの罹患リスクが高くなった。また、飲酒の頻度・量ともに増加すればするほど、罹患リスクが高くなる傾向がみられた。

 一方で、閉経後の乳がんは飲酒頻度、飲酒量ともに乳がんリスクとの有意な関連は認められなかった。

 閉経前の乳がんに関しては、飲む量、頻度を減らすことで予防につながることがわかった。松尾分野長は、閉経後の乳がんに関しては明確な関連が認められなかったことについて、「いくら飲んでもよい、と解釈する人もいるかもしれません。しかしながら飲酒は、乳がん以外にも頭頚部、食道、肝臓のがんのリスクと、量・頻度ともに関連しています。さらにこれらのがんは、年齢が高くなるとリスクが上がることが知られています。結局、飲酒に関してはほどほどにするに越したことはないのです」と話す。

 妻などパートナーにとって飲酒で乳がんのリスクが上がることを知らなかった男性は、まずそういう事実があることを知っておこう。習慣的に飲酒をしている場合には、「乳がん検診という早期発見の仕組みがありますので、機会を逃さないようにして欲しい」としている。(医療ジャーナリスト 石井悦子)

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