【つら~い痛風 専門医に聞く予防と最新治療】尿酸値を急に下げると発作を誘発…数カ月かけて改善を 間食は特に注意 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【つら~い痛風 専門医に聞く予防と最新治療】尿酸値を急に下げると発作を誘発…数カ月かけて改善を 間食は特に注意

 痛風は、その名の通り、わずかな風に触れただけでも痛みが激化し、足の親指のつけ根から足首、膝など、次々と関節に痛みが走るといわれる。

 発作を起こしたら早めに医療機関を受診することがなによりだ。では、痛風を防ぐために、原因の高尿酸血症はどのように治療するのか。

 「尿酸値7mg/dl超で高尿酸血症と診断されますが、治療の基本は食生活の見直しです。それでも9mg/dlを超えた状態が続くようならば、尿酸降下薬によって徐々に尿酸値を下げるように促します」

 こう話すのは、帝京大学医学部附属新宿クリニックの藤森新院長。長年、高尿酸血症や痛風の診断・治療・研究を行っている。

 「痛風を予防するには、尿酸値を6mg/dl以下にする必要があります。高尿酸血症の診断は7mg/dl超ですが、5年間の累積発症率の研究報告では、7~8未満mg/dlは6mg/dl以下と比べて発症率が高いのです。数値が上がれば上がるほど、発症率は高くなります」

 ただし、9mg/dlだった人が急に6mg/dl以下にすると、痛風発作を誘発することにつながる。一気に尿酸値を下げ、尿酸の結晶が崩れて不安定な状態になると、逆に痛風になりやすいのだ。そのため、薬の量のさじ加減が重要になる。

 「少ない量からはじめて、数カ月かけて薬や食生活の改善で少しずつ尿酸値を下げます。他の医療機関の治療で痛風発作が起こったら薬を止め、発作が治まったら治療を再開してまた発作。その繰り返しになっている患者さんもいます。薬の量の見極めは、とても大切なのです」

 尿酸降下薬による治療の開始時は痛風を起こしやすいため、痛風治療薬「コルヒチン」を尿酸降下薬と一緒に飲んでもらうと、発作の誘発が抑えられて上手くいくことがあるそうだ。それでも痛風発作が生じたときには、「非ステロイド抗炎症薬」を用いながら、尿酸降下薬を継続。ゆっくり徐々に尿酸降下薬の量を増やし、6mg/dl以下へと導いてゆく。

 「薬に頼るだけでなく、食生活の見直しが大切です(別項「6つの鉄則」を参照)。特にコロナ自粛の間食や飲料で甘味料(フルクトース)の量が増え、尿酸値の上昇につながっている人がいるので注意しましょう」

 フルクトースの分解に伴うエネルギー代謝で、尿酸が作られるという。お酒は飲まず、酒の肴を控えていても、間食などで尿酸値を押し上げることがあるのだ。

 「高尿酸血症の疑いがある方は、医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしてください」と藤森医師。

 あすは、尿酸降下薬について解説する。(取材・安達純子)

 ■藤森医師伝授!痛風予防6つの鉄則

 □健診で高尿酸血症の疑いがあるといわれたら、医療機関を受診する

 □通院を途中でやめない

 □ビールや干物などプリン体を多く含む食品は避ける

 □間食や甘い飲料など、甘味料(フルクトース)を含むものは控える

 □コロナ太りで体重が増えても、一気に減量しようとは思わない。徐々に減らす ことを考える

 □ハードな運動は避け、ウオーキングなどの有酸素運動をほどほどに行う

 ■藤森新(ふじもり・しん) 帝京大学医学部附属新宿クリニック院長。1976年東京大学医学部医学科卒。ミシガン大学留学、帝京大学医学部内科教授、帝京大学附属病院病院長などを経て、2016年から現職。21年4月より両国東口クリニック勤務。2018年公開の日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」の作成に携わるなど、診断・治療の向上に尽力。

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