【つら~い痛風 専門医に聞く予防と最新治療】尿酸値を下げる「尿酸生成抑制薬」と「尿酸排出促進薬」 食生活の見直しは欠かせない - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【つら~い痛風 専門医に聞く予防と最新治療】尿酸値を下げる「尿酸生成抑制薬」と「尿酸排出促進薬」 食生活の見直しは欠かせない

 痛風の原因「高尿酸血症」の治療では、尿酸値を徐々に6mg/dl以下にすることを前回紹介した。高尿酸血症は、尿酸値7mg/dl超で診断されるが、痛風の予防では、その数値よりも低い6mg/dl以下にしないと、尿酸が固まった結晶を除去することができない。では、高尿酸血症と診断された場合、すぐに薬による治療が始まるのだろうか。

 「日本痛風・核酸代謝学会の治療ガイドラインでは、腎障害などの合併症のありなしで、薬による治療の開始の判断は異なります(別項参照)。健康診断で尿酸値が7mg/dl超になったからといって、すぐに薬の服用をお勧めするわけではありません」

 こう話すのは、帝京大学医学部附属新宿クリニックの藤森新院長。長年、数多くの痛風・高尿酸血症の診断・治療・研究を行っている。

 「実は欧米では、痛風を起こしていない高尿酸血症に関しては、積極的な治療は行われていません。日本は、痛風予防のみならず、腎機能低下や心血管イベントを予防するために治療を行っています。痛風や合併症のリスクが高い人に対する治療という考え方です」

 尿酸降下薬は、大別すれば「尿酸生成抑制薬」と「尿酸排出促進薬」に分けられる。「尿酸生成抑制薬」は、プリン体が尿酸に変わるときの酵素の働きを阻害する。約50年も前に発売された「アロプリノール」(商品名・ザイロリック)に加え、2011年にようやく新たな「フェブキソスタット」(商品名・フェブリク)が発売され、13年にはトピロキソスタット(商品名・トピロリック、ウリアデック)も発売された。

 一方、「尿酸排出促進薬」は、腎臓での尿酸の再吸収を抑制する。代表的な薬は「ベンズブロマロン」(ユリノーム錠)。尿酸排出促進薬では、肝機能障害に注意が必要とされるが、昨年5月に発売された「ドチヌラド」(商品名・ユリス錠)は、肝障害が生じにくい薬として開発されたという。

 「腎機能が低下していても、『ベンズブロマロン』や『ドチヌラド』は使えます。新たな薬の登場で、薬の服用で段階的に尿酸値を6mg/dl以下まで下げやすくなっているのです」

 健診で尿酸値7mg/dl超になっても、必ずしも薬の治療が始まるわけではないが、食生活の見直しは欠かせない。また、薬の服用で6mg/dl以下まで尿酸値が改善しても、すぐに薬を止めるというわけにはいかない。

 「尿酸値が高くなるのは、食生活に加えて体質も関わります。薬を止めて尿酸値が急激に上がれば、痛風や合併症のリスクは高くなるのです。もちろん、薬から卒業できる方もいますが、それには、食生活の見直しが欠かせません」

 あすは、食生活の見直しのコツを紹介する。(取材・安達純子)

 ■痛風発作を起こしていない

 高尿酸血症の治療

 □高尿酸値症で血清尿酸値(以下同)7~8mg/dlは、生活指導(アルコー ルの摂取制限を含めた食事指導)のみ

 □8mg/dl以上で、合併症(腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖 尿病、メタボリックシンドロームなど)がある場合は、生活指導に加え薬物治療

 □8~9mg/dlで、合併症がない場合は、生活指導のみ

 □9mg/dl以上は、生活指導と薬物治療

 ※高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版から

 ■藤森新(ふじもり・しん) 帝京大学医学部附属新宿クリニック院長。1976年東京大学医学部医学科卒。ミシガン大学留学、帝京大学医学部内科教授、帝京大学附属病院病院長などを経て、2016年から現職。21年4月より両国東口クリニック勤務。2018年公開の日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」の作成に携わるなど、診断・治療の向上に尽力。

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