【食と健康 ホントの話】まずは歯のケアが大切! むし歯の原因菌が脳出血に関与 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【食と健康 ホントの話】まずは歯のケアが大切! むし歯の原因菌が脳出血に関与 (1/2ページ)

 脳ドックを受けて、「微小脳出血」と診断される人は少なくない。MRI(磁気共鳴画像)検査で見つかる無症状の、文字通りのわずかな脳出血。これがあると、将来の脳卒中(脳出血・脳梗塞)のリスクが高いと考えられているが、詳しいことはわかっていない。

 この微小脳出血の出現が、むし歯菌の一種によってもたらされている可能性が高いことがわかった。国立循環器病研究センター脳神経内科の研究チームが、大阪大学大学院歯学研究科(ともに大阪府吹田市)口腔分子感染制御学講座と慶應義塾大学医学部内科学〈神経〉(東京都新宿区)らの国際共同研究グループとともに行った研究を紹介しよう。

 むし歯の原因菌として知られるミュータンス菌のうち、「コラーゲン結合タンパク(cnm)陽性ミュータンス菌」は、血管壁のコラーゲンと結合し止血作用を阻害することがわかっている。この“悪玉むし歯菌”が、歯周病による歯ぐきの出血や、抜歯などの出血する歯科治療などにより口の中から血管に入り込み、血流に乗って脳血管へ。生活習慣や年齢の影響によってほころびが出た脳血管壁のコラーゲンに接着し、炎症を起こし、出血を止める血小板の働きを抑制することで、脳出血を引き起こすのではないかと考えられている。

 2016年にはすでにこの研究チームが「脳出血患者にはcnm陽性ミュータンス菌を持つ割合が多く、脳のMRI画像で観察できる微小な脳出血の跡が多い」ことを明らかにしている。日本人の10人に1~2人程度が、この悪玉むし歯菌を口の中に保有しているそうだ。しかし実際に、この菌の保有者の脳内で微小な脳出血が増えていくのか、時間の経過にともなった変化は明らかになっていなかった。

 同研究グループは、脳卒中で同センターに入院した患者から同意を得て歯垢を採取し、その中に含まれるミュータンス菌を培養。cnm陽性ミュータンス菌と、経時的に現れる微小脳出血の出現率の関係を調査した。その結果、cnm陽性ミュータンス菌が歯垢から検出された患者は、そうでない患者と比較して、微小脳出血の出現率が4・7倍高いことが明らかになった。

 同研究の主要メンバーの1人で、口腔内細菌と全身の病気の関係に詳しい大阪大学大学院歯学研究科口腔分子感染制御学講座の仲野和彦教授はこう話す。

 「健康な人や若い人では、たとえ菌が全身の血流を巡っても、すぐに免疫機構で排除されます。免疫能の低い人、高齢者、動脈硬化などで血管内皮に引っかかりのある人では、菌がうまく排除される前に増殖してしまい、全身の健康に悪影響を及ぼします」

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