【ここまで進んだ最新治療】頻尿や尿漏れ「過活動膀胱」治療に高い効果 ボトックス膀胱壁内注入療法 昨年4月に保険適用 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【ここまで進んだ最新治療】頻尿や尿漏れ「過活動膀胱」治療に高い効果 ボトックス膀胱壁内注入療法 昨年4月に保険適用

 急に尿意を感じて我慢できなくなる「尿意切迫感」を伴い、「頻尿」と「尿漏れ(尿失禁)」が起こる「過活動膀胱」。治療は、抗コリン薬やβ3アドレナリン受容体作動薬などを服用する薬物療法が行われる。しかし、薬の効果が不十分だったり、副作用で服用を続けられない患者が2~3割いる。

 そんな難治性の過活動膀胱に対して「ボツリヌス毒素製剤(ボトックス)」を使った「ボトックス膀胱壁内注入療法(ボツリヌス療法)」が、2020年4月に保険適用になった。ボトックスは、これまで「まぶたや顔面のケイレン」「脇の多汗症」「斜視」などの治療(患部に注射する)に使われてきた。

 過活動膀胱では、どのような治療法になるのか。亀田メディカルセンター(千葉県鴨川市)ウロギネ・女性排尿機能センターの野村昌良センター長が説明する。

 「過活動膀胱では、尿道から膀胱鏡(内視鏡)を挿入して、画像を見ながらボトックスを膀胱の壁(筋肉)に20カ所、直接注射する治療になります。所要時間は麻酔を含めて30~40分、注射している時間は正味10分以内で終わります。入院の必要はなく、日帰り治療になります」

 麻酔は、膀胱鏡検査と同じでゼリー状の局所麻酔(表面麻酔)を尿道に注入する。20~30分たって麻酔が効いてから膀胱鏡を挿入する。男性の場合は尿道が長く屈曲しているので多少の痛みを感じるが、女性の尿道は約3センチなのでほとんど痛みはないという。

 過活動膀胱は膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、勝手に膀胱が収縮してしまう病気。ボトックスが効くのは、膀胱の神経に結合し、筋肉を緩める作用があるからだ。

 「膀胱の副交感神経の末端からアセチルコリンという神経伝達物質が放出されると、膀胱内は収縮します。ボトックスは、この神経終末に作用してアセチルコリンの放出を抑制します。それで膀胱の異常な収縮が起こらなくなるのです。効果は治療の2~3日後から現れはじめ、効果の持続期間は4~8カ月とされていますが、平均半年以上は持続します」

 1日の尿失禁回数が6~7回の患者を対象に行われた国内の治験では、ボツリヌス療法によって尿失禁回数が半減した人が6割以上、約3割の人は尿失禁が完全に消失している。薬物療法では効いても2回減らせるかどうかなので、かなり高い効果が期待できる。1回の治療費用は、処置代や薬代など含め3割負担で4万円くらいだ。

 「難治性の患者さんのほとんどは尿漏れパットを使用しています。パットは不快感があり、かぶれや膀胱炎を起こしやすい上に経済的な負担も大きい。ボツリヌス療法によってパットの枚数を相当減らせますし、パットが不要になる患者さんもいます」(新井貴)

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