【今から始めよう!70代まで働く健康術】運動不足で増える変形性膝関節症、コロナ自粛で体重増加の人は注意 将来的には再生医療の普及を目指す - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

【今から始めよう!70代まで働く健康術】運動不足で増える変形性膝関節症、コロナ自粛で体重増加の人は注意 将来的には再生医療の普及を目指す

 外で体を動かしやすい気候になったものの、膝が痛くて動けないという人もいるだろう。その原因のひとつに変形性膝関節症がある。文字通り膝の関節が変形し、激しい痛みを伴い、歩くこともままならない。国内の50歳以上のおよそ1000万人が、変形性膝関節症の痛みを抱えていると推計される。痛みは無く、膝の変形を抱える人を含めると2000万人とも3000万人ともいわれ、加齢とともに増加傾向にある。

 「運動不足による下肢の筋肉の減少や、体重の増加による膝関節への負荷が長く続くことによって、変形性膝関節症につながります。昨年来のコロナ自粛で運動不足の状態が続き、体重が増えてしまったという方は、特に注意が必要です」

 こう説明するのは、順天堂大学医学部スポーツ医学・再生医療講座の齋田良知特任教授=写真。順天堂大学医学部附属順天堂医院整形外科・スポーツ診療科で、変形性膝関節症の数多くの診療と最先端の研究を行っている。

 「変形性膝関節症は、関節の中の軟骨が変性・摩耗しますが、軟骨には痛点はありません。つまり、痛みを感じないのです。はがれた軟骨の欠片が関節の中に炎症を引き起こすことで、痛むようになります」

 膝は、大腿骨とすねの骨の関節部分にあり、2つの骨は靭帯で結ばれ、それぞれの骨を守るために、クッションのような軟骨、スムーズに動かすための半月板など、複雑な組織で成り立っている。軟骨に痛点がなくても、周囲の組織には痛みを感じる神経も走行しているため、変形して炎症が広がると、痛みが走るようになる。また、正座ができないなど膝の関節の動きも悪くなり、ひどくなるとスムーズに歩くことも難しくなってしまう。

 「治療には、痛み止めの内服や外用薬、ヒアルロン酸注射、ひどい場合には変形を修正する手術や人工関節置換術など、さまざまな方法があります。最近、私たちは『培養脂肪由来幹細胞』による再生医療も開始しました」

 幹細胞は、さまざまな細胞に分化でき、軟骨の細胞も作ることができる。その特性を活かし、「培養脂肪由来幹細胞」では、自分の脂肪細胞からとった幹細胞を培養し、変形性膝関節症の膝に注入することで、軟骨の再生を促す。培養した幹細胞の一部は凍結保存し、将来、再び変形性膝関節症がひどくなったときに、再利用することも可能という。ただし、費用は自費診療扱いで120万~200万円程度かかる。

 「海外では変形性膝関節症の患者さんに対する再生医療は、手術よりも低侵襲(体への負担が少ない)ということで、さまざまな技術が開発されています。国内でも再生医療が将来的に普及するように、研究を行っています」

 治療は日進月歩で進化中だが、日頃から膝関節の負担を減らす生活(別項参照)も大切。膝を守り、不具合があれば専門医に相談を。(安達純子)

 ■脂肪由来幹細胞による膝関節治療の問い合わせは、順天堂大学幹細胞治療相談窓口(03・5802・1932)へ。

 ■膝の負担を減らす方法

 □太腿などの筋力を強化する。椅子に座り、片方の脚を真っすぐ延ばし5秒止める。もう片方の脚も行う

 □ウオーキングや水泳などの運動を無理のない範囲で習慣化し、関節周りの可動域を上げ、筋肉をほぐすようにする

 □肥満の人は減量する。また、最近太ってしまった人も、元の体重に戻すように努力する

 □減量に役立つのは腹筋を鍛えること。テレビを見ているときに腹部に力を入れるなど、無理のない範囲から腹筋を鍛えることを意識する

 ※『最強の医師団が教える長生きできる方法』(アスコム刊)から

関連ニュース

アクセスランキング

×