【食と健康 ホントの話】甘い菓子類や清涼飲料水はほどほどに 果糖の摂り過ぎによる腸内変化がメタボの要因 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

【食と健康 ホントの話】甘い菓子類や清涼飲料水はほどほどに 果糖の摂り過ぎによる腸内変化がメタボの要因

 メタボリックシンドロームとは、腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上の「内臓脂肪型肥満」に、脂質代謝異常、高血圧、高血糖のうち2つ以上当てはまる状態だ。単なる肥満ではなく、放置すれば生活習慣病につながることは、多くの人が知っているだろう。

 そのメタボにつながる脂質代謝異常について、これまではエネルギーの過剰摂取(食べ過ぎ)や、とくに動物性脂肪(飽和脂肪酸)の摂取のし過ぎが主要因と考えられてきた。しかしそれでは、やせ型の人の脂肪肝や、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が説明できなかった。ところが最近になって、砂糖や異性化糖など、果糖(フルクトース)を含む糖の摂り過ぎが、主要因の1つであることがわかってきた。

 果糖はその名の通り、果物などに多く含まれる、糖質の最小単位の単糖類だ。二糖類の砂糖(ショ糖)にも含まれ、果糖1分子とブドウ糖(グルコース)1分子が結合している。しかしメタボを引き起こすのは、食材に元から含まれている果糖ではなく、あとから添加されるこれらの「糖」の摂り過ぎが問題だと考えられている。

 菓子類や清涼飲料水には、砂糖や「高果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」「砂糖混合異性化液糖」などの異性化糖が添加されている。異性化糖は、砂糖より甘く安価なため、よく使用される。この果糖を含む糖が、どうして脂質代謝異常を引き起こし、脂肪肝・高脂血症(とくに高中性脂肪血症)を引き起こすかについては、ほとんどわかっていなかった。

 名古屋大学大学院生命農学研究科の小田裕昭准教授らの研究チームは、脂質代謝異常は砂糖の摂り過ぎによる大腸の腸内細菌叢(そう=集団)が変化したことによるものであることを見いだしたと発表。オランダの科学雑誌『The Journal of NutritionalBiochemistry』オンライン版に掲載された。

 ラットによる実験では、炭水化物(スターチ、とうもろこし由来のデンプン=果糖は含まない)を与える群と、高ショ糖(砂糖=果糖を含む)を与える群を設け、4週間行った。高ショ糖食を与えられたラットは脂肪肝と高中性脂肪血症に。大腸で調べた細菌叢は、スターチ群と比較して、脂質代謝異常を引き起こす菌叢に変わった。

 小田准教授は、この研究の意義についてこう説明する。

 「砂糖の摂り過ぎは、果糖の摂り過ぎの問題です。この実験では、ブドウ糖やデンプンを対照群としていますので、それらの糖では起きない脂質代謝異常が起きる、ということです。一時期、果糖は血糖値を上げないので、むしろ良いのではと考えられたこともありましたが、ブドウ糖とは別の経路で体に悪さを引き起こします。それが今回の実験の動機や目的です」

 砂糖や異性化糖が入った甘い菓子類や清涼飲料水は、ほどほどにするのが賢明のようだ。WHO(世界保健機関)は2015年に、1日の砂糖の摂取を、摂取エネルギーの5%に抑えるように勧告している。デスクワークが中心の中高年男性の理想の摂取カロリー(2000キロカロリー)だと、グラニュー糖で約25グラム、小さじ6杯まで。あんぱん1個や190ミリリットル缶コーヒー2本で終わる量だ。

 次週は、そのような甘いお菓子や清涼飲料水の賢い摂り方について。(医療ジャーナリスト  石井悦子)

関連ニュース

アクセスランキング

×