【コロナでセクシャル・ライフは変わったのか】バーチャルな性行為の未来 新たな社会的、身体的問題や新しい病気が出てくる危険性 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【コロナでセクシャル・ライフは変わったのか】バーチャルな性行為の未来 新たな社会的、身体的問題や新しい病気が出てくる危険性

 「松本零士さんが1968年にSF『セクサロイド』で描かれていた世界が、今現実のものになっています」

 そう話すのは、泌尿器科専門医でセックス・セラピストの小堀善友氏。小堀氏は、「国際性機能学会」での講演に向け“未来のセックス”について調査していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期となった。

 日本では“ドール文化”が発達している。埼玉県新座市に本社・ショールームがある4woods(フォー・ウッズ)では、高級ラブドールを手掛けている。乳首、肌、陰毛のカラーや、キャラクターの年齢や印象もメイクで自分の好みにかなりのカスタマイズが可能だ。かつての“ダッチワイフ”のイメージとは異なるすさまじい進化を遂げている。肋骨、背骨、関節があり、肌もしっとり、まさに人肌の感触を再現。米国、フランスに支社があり、1体約30万~85万円だが、年間約250体を売り上げる。

 AlexaやSiriのようなAI(人工知能)の自動応答システムを搭載したリアルドールもマスターベーションをサポートする道具として販売している。

 小堀氏が性のバーチャル事情を語る。

 「セックスロボットについては2017年から論文が盛んに出ましたが、最近やや下火です。米国ではロリコンなどへの厳しさから、販売反対運動が起きる半面、家族として愛している人もいます。セックスロボットが、性感染や性暴力を減らしているという報告はまだなく、治療的価値は現時点では未知数です」

 展望は?

 「セクシュアルヘルスや社会幸福度には必然的に関係してくるとみて間違いないと思います。50年後にはごく普通の人のセクシュアルヘルスのためのものになるでしょう」

 近年、ゲームやAVでもVR(バーチャルリアリティー)が注目を集めるが、小堀氏がこう警鐘を鳴らす。

 「これらにはまりすぎて、不適切なマスターベーション方法を続けると、女性の腟では射精できなくなる危険性があります。そればかりか新たな社会的、身体的問題や、新しい病気が出てくる危険性があります」

 自分の思い通りになるバーチャルがリアルを駆逐するとしたら恐ろしい。未来のセックスはどうなっていくのか。セクシュアルアイテムメーカー、TENGA(東京都港区)広報の本井はるさんは、「『性を表通りに、誰もが楽しめるものに』、というのが当社のビジョン。TENGAは人間の代替品としてではなく、よりよい心地よさを追求して製品開発をしており、セックスは相互のコミュニケーションが重要だと考えています」と話す。

 同社は、性に関する情報を「恥ずかしいもの」から日常的な話題へと切り拓いてきた。

 「もう少しフラットに話せるような環境をつくっていくことで、性生活が向上していくと思います。性について話せるようになることで、自分の性生活の満足度が上がっていくような世の中になったらいいなと思っています」(本井さん)

 アフターコロナが、性にどんな影を落としていくのか。少子化にも関わるマジメな問題として、今後も追い続けていきたい。(取材・熊本美加)

 ■小堀善友(こぼり・よしとも) 泌尿器科専門医。プライベートケアクリニック東京・東京院院長。生殖医療専門医。セックス・セラピスト(日本性科学会)。1975年、埼玉県生まれ。金沢大学医学部卒。専門は男性性機能障害、男性不妊症、性感染症。著書『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』など。

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