【食と健康 ホントの話】甘い物は日中活動時間に摂る方が脂質蓄積抑制 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【食と健康 ホントの話】甘い物は日中活動時間に摂る方が脂質蓄積抑制

 果糖を含むお菓子や清涼飲料水は、体脂肪を落とすこととは別の理由で控えたほうがよいことがわかってきている。メタボの主要因の1つである、脂質代謝異常を引き起こすからだ。

 体脂肪を減らす目的で、いわゆる「低糖質ダイエット」が流行っているが、それはご飯やパン、麺類などの「デンプン」を控える食事のこと。デンプンに多く含まれる「ブドウ糖」がヒトの主要なエネルギー源だが、常に多く摂取していると内臓脂肪が増えたり、血糖値をコントロールするホルモン、インスリンが効かなくなったりしてメタボになりがちに。そうなると食後の血糖値が上がりやすくなり血管を傷つけ、動脈硬化のリスクが上がってしまう。

 糖質はデンプン(多糖類)の他に「糖類」も含まれる。糖類は、ブドウ糖や果糖などの「単糖類」と、ショ糖(砂糖。ブドウ糖と果糖でできている)などの二糖類がある。ごはんやパン、麺類などを多く摂りすぎると血糖値に影響し、お菓子や甘い飲み物の摂りすぎは血液の脂質に影響するのだ。

 先週紹介した名古屋大学大学院生命農学研究科の小田裕昭准教授らの研究グループによる最新の研究では、果糖を含む砂糖の摂取が腸内細菌叢(そう=集団)を変化させ、それが肝臓に中性脂肪がたまる「脂肪肝」と、動脈硬化の原因になる「高中性脂肪血症」に影響することを、ラットの実験で明らかにした。

 とはいえ、甘いものをまったく摂らないのは食の楽しみが半減し、我慢しすぎるとストレスにもなる。そこで小田准教授は、砂糖摂取のタイミングを体内時計に合わせて日中の活動している時間帯に限れば、脂質代謝異常が抑制されるのではないかと仮定し、2018年に夜行性ラットを使って実験している。

 夜行性ラットは、暗い時間帯が活動時間となる。明るい時間帯(12時間)には寝て、暗い活動時間帯(12時間)には活動するというサイクルで生きているラットを用いて、暗い時間帯だけに高ショ糖のエサを与えたグループと、自由に高ショ糖のエサを与えたグループを比較。すると、活動期だけ食べたグループのほうが、血液と肝臓の両方で過剰な脂質蓄積を抑制することがわかった。

 さらに19年には、その原因を突き止めるために、ラットを使って、砂糖の摂り過ぎによる脂質代謝異常のメカニズムを調べた。その結果、肝臓の「体内時計」が乱れることによることを突き止めた。

 肝臓にはさまざまな働きがあるが、糖質から合成した脂質を貯めたり血液中に放出したりするなどの、脂質の代謝を担当している。生物は、1日24時間のリズム信号を発振する「体内時計」という仕組みがあり、生命活動を一定に維持している。そして、肝臓の脂質代謝や脂質合成も、概日(日内)リズムを示すことが知られている。小田准教授らは、その脂質合成のリズムの振幅が砂糖の摂り過ぎにより増大し、脂質合成が促進することが原因である、と解明した。だから、夜のスイーツはよくないのだ。

 「メタボ予防のための食事制限は、長く続けることが大事です。体への悪影響を減らしながらお菓子や甘い飲み物を楽しむためには、摂食量を減らすことも大切ですが、日中の活動時間帯に食べるのがおすすめです」

 ヒトの活動時間は、起床から眠くなる15時間前後くらいまで。その時間内なら甘いものの摂取はОKだが、眠る直前は避けたい。体内時計に合わせた規則正しい食生活がよいようだ。(医療ジャーナリスト 石井悦子)

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