【今から始めよう!70代まで働く健康術】「ハミング」で声帯萎縮を解決! 発声指導法のプロが直伝 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【今から始めよう!70代まで働く健康術】「ハミング」で声帯萎縮を解決! 発声指導法のプロが直伝

 新型コロナの変異株は感染力が強く、これまで以上の予防が望ましいとされている。マスク着用とはいえ会話を控え、食事中も無言…。このように声を使わないことで、声帯萎縮が起こる「声帯サルコ」を前回紹介した。それを解決するハミングについて今回取り上げる。

 「ハミングは、歌詞を歌わない、いわゆる『歌わない歌』です。口を閉じてメロディーを発声するので、飛沫を抑えることができますし、ハミングは、細く長い息を出し続けることが求められるため、大きな声を出す以上に呼吸器官を鍛えることができるのです」

 こう説明するのは、特定非営利活動法人東京ベルズの高牧康理事長=顔写真。音声生理や発声指導法の研究を行い、のどを簡単に鍛えられる「のどピコ体操」を開発。ボランティアでの普及活動に力を注ぐ。今年3月には、「のどピコ体操チャンネル おうちでハミング 歌わない歌」(「のどピコ体操 おうちでハミング」で検索)をYouTubeに開局した。

 「ハミングは、呼気圧が少なく声帯に過度な緊張がかかりません。声帯の伸展収縮がしやすくなって、裏声などの高音が出しやすくなり、声帯のストレッチ効果がえられやすいのです」

 通常は、大きな声を出しても、声帯サルコで声帯萎縮が進んでいると、かすれた声になってしまう。声帯は動くどころか緊張するため、大声によって声帯を痛めてしまうこともある。ハミングなら声帯への空気による圧力は少なく、裏声や高音で声帯が動かしやすくなる。そのとき動くのが、“のどちんこ”とも呼ばれる「のどピコ」だ。

 「のどピコは、声帯の動きと連動し、地声の場合はぶらさがったままですが、裏声や高音で発声すると、声帯が細かく震えるように動き、連動してのどピコが後ろに反り返ります。裏声や高音の方が、のど全体の筋肉を鍛えるために役立つのです」

 のどを鍛えることは、誤嚥性肺炎予防になるほか、のどの粘膜が潤うことで感染予防などでも期待が持てる。高牧氏は、声の出し方、歌い方などで、これまで数多くの「のどピコ体操」を広めてきた。今回の「のどピコ体操チャンネル」の開局は、文化庁「令和2年度文化芸術活動の継続支援事業」として認定され、支援金交付を受けての取り組みという。

 「歌わない歌の動画は、母親に抱きしめられたときの温もりや、初恋の思い出、故郷を思い起こすストーリーにしました。思わず懐かしくて見入るのは、回想法として認知症治療の心理療法に通じます。導かれてついハミングし、口ずさむので、自然に喉と脳を鍛えることができます」

 そもそも男性は、高齢になるにつれ声を出さなくなりやすいという(別項)。ハミングで喉と脳を鍛えつつ、気分転換にもつなげてはいかがだろうか。(安達純子)

■男性が声を出さなくなるきっかけ

□定年退職して会話数は激減、カラオケにも行かなくなった

□妻に先立たれてひとりきりになったので、話す相手もいない

□周りに知った人がいない

□もともと話し好きではなかったし、ひとりでいるのも苦にならない

□病気をして家にいることが多くなり、人と会うことが少なくなった

□これらにコロナ自粛が加わると、ますます声を出す機会が失われる

※『60歳からはじめる「のどピコ体操」』(高牧康著、PHP研究所刊)から

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