【今から始めよう!70代まで働く健康術】高齢者糖尿病患者の死亡リスクを左右する「8つの質問」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【今から始めよう!70代まで働く健康術】高齢者糖尿病患者の死亡リスクを左右する「8つの質問」

 高齢の糖尿病治療は、日常生活動作(ADL)の低下や、認知機能の低下で血糖値コントロールが難しくなる。そのため、治療のガイドラインでは、認知機能やADLによって血糖コントロール目標値が異なることを前回紹介した。目標値のカテゴリーはI~IIIの3つに分類され、IIIに移行するに従って重症になる。

 「高齢者の糖尿病治療では、カテゴリーIIの人をいかにカテゴリーIに戻すかというのが重要です。カテゴリーIにすることで死亡リスクを減らし、健康寿命も長くなり、治療も行いやすくなるからです」

 こう話すのは、東京都健康医療センターの荒木厚副院長(内科総括部長兼務)。高齢者糖尿病の疫学調査「J-EDIT」や、それに基づく「高齢者糖尿病診療ガイドライン2017」の策定に尽力。血糖コントロール目標値で示されているカテゴリー分類と死亡リスクを検証し、改めて「生活機能の維持の重要性」についての論文を今年5月に発表した。

 「診療で患者さんのカテゴリー分類を行うときには、生活機能を評価する『DASC-8(認知・生活機能質問票)』を用いています。8つの質問の点数でカテゴリー分類を行い、合計点が高い程、カテゴリーIIIになって死亡リスクも上がります」

 「DASC-8」の質問内容は、別項を参考にしてほしい。「ひとりで買い物ができますか」など、今も現役で仕事を人ならば「問題なくできる」と答えるような質問が並んでいる。だが、安心するのは早い。

 「糖尿病は、若い頃から筋肉量が減少し、筋力が低下するサルコペニアをきたしたり、認知機能などが低下したりしやすい病気ともいえます。ご本人が気づかぬ間に、機能が低下していることもあります。カテゴリーII(軽度認知障害や軽度認知症、買い物などの手段的ADLの低下)になるとフレイル(虚弱)も増えます。そうなる前に、カテゴリーIに戻ってほしいのです」

 カテゴリーIIからIに戻るには、(1)食事、(2)運動、(3)社会参加やサポートの3つが重要という。

 たとえば、食事は肉類、魚介類、大豆製品のタンパク質を中心に、野菜もたっぷりとり、1日3食を欠かさないこと。(2)は、速歩や水泳などの有酸素運動と、スクワットなどの筋トレを組み合わせる。また、(3)ジムなどに通えない人は、通いの場などの地域の運動教室に参加したり、介護保険の「要支援」以上の認定を受ければ、通所リハビリテーションで運動指導を受けたりすることもできる。

 「高齢者の患者さんを支援するため、昨年、当院に『フレイル予防センター』を作りました。フレイルサポート医を認定し、フレイル予防に携わる栄養士や運動指導士を養成し、地域医療連携の体制づくりを始めました。将来的には全国に広げたい」

 高齢になると包括的なサポートが必要になる。そうなる前に若い頃から予防することも重要だ。次回紹介する。 (安達純子)

■高齢者糖尿病カテゴリーを決める「8つの質問」

(1)財布や鍵など物を置いた場所がわからなくなることがある

(2)今日が何月何日かわかないときがある

(3)1人で買い物ができる

(4)バスや電車、自家用車などを使って1人で外出できる

(5)貯金の出し入れや、公共料金の支払いは1人でできる

(6)トイレに1人で行ける

(7)食事は1人でできる

(8)家の中での移動は1人でできる。

※上記全てに「まったくない」「問題なくできる」と回答できたらカテゴリーIになる(DASC-8から抜粋)。

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