【脳神経外科が明かす「脳の病気とケガ」最新事情】脳卒中の予兆として覚えておきたい「FAST」とは (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【脳神経外科が明かす「脳の病気とケガ」最新事情】脳卒中の予兆として覚えておきたい「FAST」とは (1/2ページ)

 国際医療福祉大学成田病院脳神経外科に所属する専門医による最新治療連載。第2回は、血管内治療の名手として知られる脳神経外科教授の山根文孝医師が、「脳卒中の治療法と予防法」について解説する。

 「脳卒中」の正しい意味をご存じでしょうか。「卒」は「ついに」とか「終える」、「中」という字には「病にあたる」という意味があります。つまり脳卒中とは、「ついに脳が役目を終える」という状態を指す言葉なのです。これは文字から見た脳卒中の解釈ですが、医学的には「3つの病気の総称」。その3つとは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血です。

 脳梗塞は血の塊(血栓)が脳の血管に詰まって血流が途絶える病態、脳出血とは脳の細い血管が破れて出血するもの、くも膜下出血とは脳の動脈の別れ道などに「瘤(りゅう)」と呼ばれる血管のコブができ、それが破裂する病気です。

 脳卒中はどれも、発症後の治療は時間との闘いです。というのも、血流が途絶えると、その血管が支配する領域の脳細胞が死んでいき、一度死んだ細胞は生き返ることがないからです。

 治療法は、カテーテルという細い管を血管内に挿入して血栓を取り除く方法や、血栓を溶かす薬の静脈注射などがありますが、それらの治療の効果が出るまで、脳の細胞は死んでいくのです。少しでもそのダメージを小さくするには、1分でも早く治療を開始しなければなりません。

 脳卒中には、半身不随、突然の意識障害、激烈な頭痛を伴うものがあり、救急車を呼ぶことになるのですが、中にはそれほど重大なこととは思わない症状しか出ないこともあり、判断に迷うことがあります。

 そこで覚えておきたいのが「FASТ(ファスト)」です。

 Fは「顔(フェイス)」。脳卒中になると顔がゆがみ、食べたり飲んだりしたものをこぼすようになります。いわゆる「顔面神経麻痺」の症状です。

 Aは「腕(アーム)」。両手を挙げようとしても片方の腕がだらんと下がってしまいます。また、症状が完全に消え治っているように見えることがあります。

 Sは「言葉(スピーチ)」。口が上手く動かないので、言葉がもつれて思うような発音ができなくなります。

 最後のТは「時刻(タイム)」で、発症した時刻を覚えておくことが、その後の治療に大いに役立つのです。

 先ほど紹介した血栓溶解剤は発症から4時間半以内、カテーテルによる血栓回収療法は発症から6時間以内に行わないと、効果が期待できなくなります。まさに時間との勝負なのです。

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