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北朝鮮に向く砲筒、道路脇に塹壕 有刺鉄線の先に地雷原 南北軍事境界線ルポ

 北朝鮮のミサイル発射などによる緊迫状況が続くなか、韓国側から南北軍事境界線を目指した。

 ソウルから北東に2時間ほど走ったころだった。「ここが北緯38度線だ」。韓国人ドライバーが言う。

 韓国と北朝鮮の休戦ラインである軍事境界線は曲がっており、実際は北緯38度より北の部分も広い。

 軍事境界線を抱える北中部の鉄原(チョルウォン)郡に入る。北朝鮮側に見える白馬(ペンマ)高地は、朝鮮戦争(1950~53年)の最中に熾烈(しれつ)な戦いが行われた現場だ。道路には所々にコンクリート製の巨大な柱のようなものや、分厚い門が待ち構える。有事の際に崩して道路を遮断するための物だ。軍事境界線の近くにいることを実感した。

 まもなく、武装した兵士が警戒する検問所にたどり着いた。検問所のそばの小さな丘には火器が備えられ、北を向いていた。

 この先は、民間人の立ち入りが規制されている「民間人統制区域」だ。さらに北に行こうとしたが「外国の記者は、事前に申請しなくては入ることができない」と追い返された。近くには、有刺鉄線にその先が地雷原であることを示す「地雷」と書かれた看板が掛かっていた。車は通行するが、歩く人の姿は見えない。

 南西へと向かい漣川(ヨンチョン)郡に入ると、軍の訓練所があり、シェルターから砲筒が北に向かってのぞいていた。小高い山の頂上の一部が伐採され、山肌に北緯38度を示しているのか、「38」との数字が大きく書かれていた。道路脇には、兵士が砲撃から身を守る塹壕(ざんごう)もあった。

 さらに西の板門店(パンムンジョム)などがある坡州(パジュ)市に。アウトレットモールの屋上には、北朝鮮を見ることができる望遠鏡を備えた展望台があった。モールでは、平昌五輪のロゴが飾られるなか、家族連れが笑顔で買い物を楽しんでいた。「金正恩(キム・ジョンウン)(朝鮮労働党委員長)の挑発に韓国人は慣れている。危機感はない」と韓国人の女性はさらりと話していた。(松本健吾)

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