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「保守系マスコミ叩け」文政権、北の合同文化行事取りやめで過剰忖度!?

 北朝鮮が1月29日夜、同国の観光名所である金剛(クムガン)山で2月4日に予定していた南北合同文化行事を取りやめると、一方的に通知してきた。日本には合意を守らない韓国政府が、北朝鮮に「合意事項は必ず履行しなければならない」(統一相)と述べたのは、最大級のお笑いだ。

 しかし、お笑いとは離れて、北朝鮮が行事中止の理由に「韓国メディアの北朝鮮誹謗(ひぼう)報道」を挙げていることには注目しなくてはならない。

 素直に読めば、これは北朝鮮から「早く保守系マスコミをたたけ」という文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する命令だ。「北朝鮮様のお心」を忖度(そんたく)することにたけている文グループは当然、そう理解しているだろう。

 南北対話に基づく合意を振り返れば、「電撃合意」「一方的破棄通告」の連続であり、これから平昌(ピョンチャン)冬季五輪の本番に向けて、いや五輪が始まってからも、北朝鮮による揺さぶりは続くだろう。4日の合同文化行事を取りやめるというのに、8日に同じ金剛山で予定されている前夜祭には何も触れていないのも不思議だ。

 北朝鮮にすれば「次の揺さぶり材料」なのだろう。そして、いざとなれば「五輪参加取りやめ」というカードがある。「嫌なら、北の言うことに従え」ということだ。

 では、文政権は保守系マスコミをたたくのだろうか。北朝鮮に言われるまでもなく、保守系マスコミたたき、とりわけ“朝鮮日報つぶし”は文与党の年来の願望だ。

 しかし、若年層を中心に、平昌五輪が「平壌(ピョンヤン)五輪」の様相を濃くしていることへの反発が急速に高まっている。文大統領の支持率も1月第4週には初めて6割を下回った(リアルメーター調査で59・8%、R&S調査で56・7%)。それまでの8割に届きそうな支持率が「異様」だったとも言えるが、絶対的支持率をバックに強引な政策を進めてきた文政権にとっては手痛い落ち込みだ。

 保守系紙の大枠を脱して“準与党紙”になっていた中央日報が26日、世論動向に関連して「大統領の支持率50%台は、反対陣営が『自分たちも勝負できる』と判断する変曲点」という専門家の話を紹介したのも興味深い。8対2、あるいは7対3では勝負にならないと諦めていた保守陣営が「6対4なら戦えるぞ」と奮起するという意味だ。

 そうした状況下では、文政権も直ちに保守系メディアのたたきには出にくそうに思える。だが、彼らは逆に、「いま、たたかなければ、ますますたたけなくなる」と判断するかもしれない。

 李明博(イ・ミョンバク)元大統領の召喚取り調べは、五輪閉幕後に延期されたが、これまた在野保守勢力と従北政権との対決の場になる。

 北朝鮮に揺さぶられつつ、平昌五輪の日程を何とか乗り切ったとしても、「平穏な韓国」の予想はいっこうに見えてこないのだ。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。

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