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岩田日銀副総裁、消費増税の「影響」指摘で話題に 黒田総裁を批判できず、5年間よく耐えた (1/2ページ)

 日銀の岩田規久男副総裁が記者会見で、物価目標2%を達成できていないことについて、消費増税の影響を指摘したことが話題になった。

 1月31日の講演後の記者会見で、岩田氏に対し「『マネタリーベース(日銀が市場に供給する資金)を増やせば予想インフレ率が上がる』と発言した(のに実現していない)」という趣旨の批判的な質問があった。

 それに対して、岩田氏は「そのような理解があることが真意が伝わっていない証拠」と述べ、「マネタリーベースさえ増やせば」とは自分の本で書いていないと反論した。そして、政策実現のためにさまざまな政策を組み合わせることの重要性を指摘した。金融政策の部分だけを悪意で抜き出し、それで間違ったといわれるのは心外だろう。

 筆者にも、その気持ちはよくわかる。「マネタリーベースを増やせば予想インフレ率が上がる」という計量分析結果となった場合、「他の政策が等しければ」という前提があり、「マネタリーベースだけ」ではない。例えば、マネタリーベースを増やす金融緩和と同時に、財政引き締めを行うと、金融緩和の効果は大きく減少してしまう。

 金融緩和は有効需要を高め、GDP(国内総生産)ギャップを通じてインフレ率にプラスに働くが、増税などの財政引き締めでは、有効需要を減少させ、GDPギャップを通じてインフレ率にマイナスに働くからだ。しかも、短期的には、金融緩和と財政引き締めを同時に行うと、財政引き締めのほうがより効いてしまう。

 筆者は、金融緩和と財政引き締めの両方の効果を盛り込んだモデルによって、計量分析をした結果を発表している。それは、本コラムで再三述べてきたとおりであるが、2013年度以降の金融緩和によって、14年6月頃まで、インフレ率は1・5%程度まで上昇していた。しかし、14年4月からの消費増税によって、景気が落ち込みインフレ率は急落した。もし消費増税がなかったなら、インフレ率2%も達成できていたと思われる。

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