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南北首脳のノーベル平和賞受賞は“大歓迎” うさん臭さに気付く人増えるはず

 今年の「ノーベル平和賞」の受賞者をめぐる、英ブックメーカー(賭け屋)の予想を知って、思わず笑ってしまった。

 南北首脳会談を4月27日に行った、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の同時受賞が、オッズ1・7倍の1番人気(4月末時点)だというのだ。

 どこかの団体が「ノーベル平和賞を与えるべきだ」と騒いでいた日本国憲法には「平和」という言葉が5回も登場する。「平和」とは各人の主観次第で、客観的定義がない。だから善良な人々をけむに巻くプロパガンダ用語として利用される。

 ノーベル平和賞とは、このプロパガンダを補強する、うさん臭い存在に過ぎないと私は考えている。

 バラク・オバマ氏は米大統領就任直後の2009年4月、チェコ・プラハで演説し、「核兵器を使用した唯一の核保有国として行動する道義的責任がある」として、米国が先頭に立ち、核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意を示した。この演説によって、オバマ氏は同年のノーベル平和賞を受賞したが、核廃絶は実現せず、逆に、任期中に北朝鮮という新たな核保有国が誕生した。

 中東ではIS(自称イスラム国)が台頭し、南シナ海では中華人民共和国(PRC)が国際法を無視して人工島の軍事基地を建造した。ノーベル平和賞受賞の経歴は、オバマ氏に軍事オプションの選択を躊躇(ちゅうちょ)させ、世界の平和と安全を混乱させた。

 日本では、佐藤栄作元首相が「非核三原則」を提唱したことで、1974年に同賞を受賞した。後に、有事の際は在日米軍に核兵器持ち込みを認める「密約」を結んでいたことが明るみに出た。

 2000年に韓国唯一のノーベル賞を受賞した金大中(キム・デジュン)元大統領の場合、もっと露骨だ。政権発足当時から、平和賞受賞のために組織的工作を行い、北朝鮮に5億ドル(約548億円)を不法送金していたことが、後年、米国に政治亡命した大韓民国国家安全企画部(現・韓国国家情報院)の元職員によって暴露された。「カネで買った平和賞」と批判された。

 正恩氏は、後見人的存在だった叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏を数百発の機銃掃射で蜂の巣にして殺害し、遺体は火炎放射器で焼き尽くしたとされる。マレーシアのクアラルンプール国際空港で、異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を、猛毒の神経剤VXガスを使用して暗殺したことは記憶に新しい。

 今年、正恩氏が受賞してくれれば、「ノーベル平和賞」のうさん臭さに気付く人が増えるはずだ。個人的には大歓迎である。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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