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皮肉なセクハラ問題 人ごとのように報じてきたメディアの足元に…

 これまでメディアは財務省前事務次官の女性記者へのセクハラ問題を大きく取り上げて批判してきた。しかし、「性暴力と報道対話の会」という団体が行ったアンケートによると、セクハラ被害の経験があるメディア(新聞や放送局)関係者は96%もいて、加害者は取材先や取引先のほかに会社の上司や先輩という声も多かった。

 つまり今回の問題を人ごとのように報じてきたメディアの足元に、表面化していないセクハラ問題が数多く眠っていたということになる。これは何とも皮肉な話だよね。セクハラやパワハラを問題視して加害者を批判してきたのがメディアなんだから。

 かつての昭和時代だったら許容されていたことが社会の風潮や法律が変化することで許されなくなる。これはよくあることだ。「愛のムチだ」と正当化されていたようなことでも現在では「パワハラだ」と批判され、「ええケツしとるやないか」とタッチしたらセクハラになる。

 ボクらの世代とかだと、このあたりの危機意識が低くて気軽に女性のおしりにタッチしたり、「口で言うのはリップサービスみたいなものだ」という人もいる。アンケートでは加害者の多くは40~50代だそうだけど、ボクらが若い頃からの風潮に影響を受けた世代ということじゃないかな。

 もう一つ、メディア側の体力が落ちて、昔よりもガッツのある取材攻勢ができなくなっているんじゃないかとも思う。自主規制も強まってむちゃなことはできないけど、ネタは取りたい。そこで女性記者を送り込んで「ご機嫌をとろう」という姿勢になってしまう。でもこれだと足元を見られて、立場はどんどん弱くなる一方だよ。

 ボクの所にも取材で若い女性記者さんが来ることはよくある。この連載のように世相に関することをしゃべることもあるけど、美容整形にまつわる取材も多いから、当然おっぱいやら男性の性器の話も出てくる。テレビのバラエティー番組で女性タレントさんの胸を触診して豊胸手術をしたのかどうか確認するなんてこともあったよ。

 でもそれはボクが普段からやっている正当な業務に関することだから、記者さんなどからクレームが入ったことはない。まあ、下心があるわけじゃないしね。

 さすがに前事務次官のように「手をしばっていい?」とは言わないよ!

 ■高須克弥(たかす・かつや) 美容外科医で医学博士。美容外科「高須クリニック」院長。愛知県出身。日本に「脂肪吸引手術」を普及させた先駆者で、「Yes、高須クリニック」のCMフレーズでもおなじみ。芸能界、財界、政界と幅広い人脈を持つ。著書多数、最新刊は「炎上上等」(扶桑社新書)。

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