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カジノゲーム“必勝法”の誘惑と落とし穴 賭け金リミットもあるし、熱くなりすぎないで

★なぜバカラにハマるのか(6)

 和文、英文を問わず、カジノプレーヤーに向けたさまざまな戦略本が出ています。ときには“必勝法”と称して…。しかし、カジノのゲームのほぼすべてが、結果を推測することは不可能な、運任せの勝負。紹介されている戦略のほとんどは、資金管理=マネーマネジメントシステムに関するものです。

 「負けたら次のゲームの賭け金を2倍にする」。“マーチンゲール法”という言葉は知らなくても、こんな作戦をイメージする人は多いはず。

 その背景にあるのは、「勝つ確率は2分の1。負け続けることはないし、いずれ勝って取り戻せる」という考え。ルーレットやブラックジャックでもできますが、よりスピーディーにゲームが展開するバカラは、この戦略を実行するにはぴったりです。

 しかし、もしこれが必勝法ならば“カジノ長者”が無数に生まれるはず。そうでない理由=リスクがあるのです。

 〈表〉を見ながら実戦形式でベットしてみましょう。賭け金1(単位)でスタートして、すぐに当たればバカラの配当は2倍(バンカー勝ちは1・95倍)で、1の利益を手にします。

 外れたら賭け金を倍にして2に。連敗したら(3)回目は4を賭けます。ここまでに1+2+4=7のマイナスですが、勝てば4×2=8の配当が返ってくる。8-7=1の利益となって、また(1)回目から再スタートすればいい。簡単に負けを取り戻せる、必勝法のようにも思えてきます。

 しかし、4連敗したあとの(5)回目の賭け金は16。当たったときの利益1のために、躊躇(ちゅうちょ)なくチップを置くことができますか? 〈表〉では分かりやすく賭け金1から始めましたが、例えば最低賭け金10ドルのテーブルで勝負するなら、(5)回目は10ドル勝つために、160ドルをベットしなければなりません。

 「ホエール(鯨)」とも呼ばれるハイローラー(高額の勝負をする人)がこの戦略をとっているとは限りませんが、負けて熱くなっているところに「取り返せる」気持ちが重なって、ついつい賭け金が大きくなるのがバカラの特徴であり、怖さとも言えます。

 “そろそろPが出るだろう”と同じ目を追い掛けているうちに、Bが9回続いたなんてこともザラにあります。9回連続Bのあとでも、Pが出る確率は1/2。(10)回目に5120ドルを平常心で賭けることは難しいでしょう。

 それでも当たるまで倍賭けしていけば最後は勝てる-? 確かに資金が無尽蔵にあれば、計算上は“いずれ勝った時点”で1の利益が得られます。しかし、カジノ側はこの対策として、「テーブルリミット=最高賭け金の上限」を設定しています。初心者が最初にゲームテーブルに着くときに気にするのはMIN(最低賭け金)ですが、同時にMAXも表示されています。

 もし、MAX5000ドルのテーブルなら、(10)回目に5120ドルを賭けることはできません。ここで作戦はストップしてしまいます。

 カジノでの資金管理は本当に大切ですが、それは遊びのレベルをコントロールするためのもの。もうけることだけを目的にシステムに捕らわれるのは、精神的に極めて不健康です。1回の不運な連敗で大金を失ってしまう“必勝法”に挑戦するより、ボクはツキの流れを読みながら楽しむほうを選びます。“絞り”だってあるし、バカラは十分にシビれるゲームですから。(ギャンブルライター・片山真)

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