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ハイテク産業めぐる米中貿易戦争 トランプ氏は習氏“肝いり政策”に危機感

 「米中貿易戦争」という言葉が、新聞や雑誌に定着してしまった。

 今や、中国の習近平国家主席率いる指導部には対米譲歩の選択肢がないかに見える。

 昨年10月の中国共産党第19回全国代表大会で党規約改正案が決議された。

 そこには、「党・政・軍・民・学の各方面、東・西南・北・中の全国各地について党はすべての活動を指導する」と記されている。

 この決議によって、中国に進出する外資系企業、特に国有企業との合弁企業において合弁相手から合弁会社内の共産党組織に関する条項を加える形での定款変更を求められるケースが増加している。

 要は、共産党の企業経営への関与、つまり国家資本主義の強化ということである。

 こうした「党指導」に嫌気して、中国市場からの撤退を決めたドイツ企業が出始めたほどだ。

 だが、多くの欧米企業は政策リスクへの懸念を積極的に表明しつつも、「リスクでもあるがチャンスでもある」との見方を変えていない。

 米国のIT(情報関連)大手企業を例に引いてみよう。

 米グーグルは昨年12月に首都・北京にAI(人工知能)拠点を設立、今年1月には中国のITプラットフォーマー大手テンセント(謄訊)と特許ライセンス契約を締結。

 米フェイスブックも1月に、中国のスマートフォン企業Xiaomiとの提携、中国市場へ再参入した。

 米アップルは昨年10月に貴州省にデータセンターを設置、運営は提携先の地方政府出資企業が担っている。

 こうした中で、ドナルド・トランプ米大統領は6月27日、中国の知的財産権侵害を巡り「米国の国家安全保障と先端技術の主導権を守るために、商務省に輸出制限の検討を指示した」と発表した。

 「対中ハイテク輸出規制」である。その対象は半導体製造装置などだが、習主席肝いりのハイテク産業育成政策の「中国製造2025」に対する危機感の表れである。

 一方の中国も負けじと対抗策を相次いで繰り出してきている。

 トランプ政権の対中制裁に対する報復措置として、総額500億ドル(約5兆5000億円)規模の米国製品や農産品に25%の追加関税を7月6日から段階的に発動したのだ。

 こうした中国の通商政策の司令塔は共産党であり、国家サイバー・デジタル戦略の基本方針を決める党中央網絡安全和信息化委員会の主任が習近平総書記その人である。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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